ケーブルにこだわりが感じられないシステムはなんだか寂しい気がする。どうもみかさです。
オーディオマニアはある程度の所まで行くと遅かれ早かれケーブルにこだわりが生まれるという。ある人は業務用ケーブル、ある人はメーカー推奨ケーブル、ある人はハイエンドケーブル。…

ケーブルというのは、オーディオ機器同士を繋ぎ、電源を供給する非常に重要なパーツ、もしかするとそれ自体がオーディオ機器だったりするわけだけれど、その性能以外にもラックの裏だったり機材同士の間だったりにオーディオに詳しくない人でさえケーブルの存在感は結構強く感じられる。その多くはケーブルに絡まるとか見た目が悪いとか負のイメージがつきがちだ。
ケーブルをインシュレーターで浮かせていたり最短ルーツを辿ったりとオーディオシステムの中では非常にその人の個性というか考え方が意外と反映される部分でもあると思う。故にオーディオマニアの中のマニアはシステムを見たときまずケーブルをチェックする。

自分はいつからか、リビングを占領してオーディオをやっていた。あまりごついケーブルだったり、混線するようなケーブル配線を避けてきたし、自室でひそひそとやるにしてもできるだけスッキリと配線できるようにしていた。
オーディオと生活しているということもあり、セッティングの美しさや配線の美しさは何よりも重要なのだ。
若干の音が犠牲になっても配線はやはり綺麗ではなくてはならない。スピーカーが多少変な形になっていたとしてもそれは多くの場合でおそらく意味のある形状をしているわけで、ケーブルのごちゃごちゃとは意識が異なると思う。
とにかくケーブルの配線という物はオーディオオタクの質や個性が出てくる部分なのだと思う。

そんなところで、綺麗にケーブルを配線するとなると、余裕のある丁度良い長さや取り回しの良い柔らかさなど、ケーブルの選べる幅というのがかなり限られてくる。
ここで非常に重宝するのがカナレやベルデンといった業務用ケーブルだ。マニアの中でも賛否はあるだろうけれど自分の中ではカナレを最低限でもっともバランスの取れたケーブルだと思っている。

カナレを気に入っている理由は3つ。
低コスト、長さが豊富で自作も容易、三つ取り回しが非常によく色も豊富
コストが安いというのは非常に魅力的だ。常に丁度良い長さを設定できるし自分で切って長さを調整なんてことも出来る。
また業務用と言うことで取り回しが本当に神がかっている。ケーブルはヨレヨレしないしカーブも綺麗に描く。どんなに長く這わせてもスッキリとまっすぐ床に伝うように伸びてくれる。
加えて黒だけではなく白やオレンジなど色が選択できるのも高ポントだ。業務用らしく用途によって色を分けたり場合によってはLRで色を分けたりもできてしまう。

うちのシステムは基本的にスピーカー周りをスッキリと機能性を高めるために、スピーカーまわりは基本的にパワーアンプだけでプレイヤーやプリアンプと行った機材は離れた位置に置いている。
ゆえに、パワーアンプとプリアンプの間のインコネが非常に長くなる。
メインのGIYAをならしているPASSと繋がるケーブルは7mあった。これはプリパワーで分けている中ではまだ短い方(あまりに短いと分ける意味が薄れる)だと思うけれど、それでもこの長さのケーブルはあまりお目にかからないと思う。

プリとパワーで分けるもう一つの理由に、ケーブル内のカーストがあると思う。同じケーブルメーカー内では価格が、「スピーカーケーブル>インコネ」であることが多い。しかし日本のオーディオを見渡すと、5m,3mといった長いスピーカーケーブルを使っているオーナーが圧倒的に多いことに気づく。これはセパレートアンプが少ないことや部屋が狭いなど諸事情あるとは思うけれど、最もノイズを受けやすくケーブルの中でも重要性の高いスピーカーケーブルを長くするのはいかがなものかと思う。
なんにしてもスピーカーケーブルは長くすればするほどゴツくなるし値段も高くなって音質的にもどうなのだろうか?ノードストにいたってはスピーカーケーブルが最もアンテナになりやすくノイズ受けやすい。
だったら、安いインコネを長く引き回してモノラルパワーアンプに接続してスピーカーケーブルを短くした方が良いと考えるわけだ。

 実際にこれまでスピーカーケーブルをどこまで短く出来るかをずっと検討してきた。その結果あのトライゴンとアッコルドのジャンパー線で繋ぐ、たった15cmのスピーカーケーブル接続が誕生したのだ。

ノードスト ジャンパー線

ラックを部屋の端において、モノラルパワーアンプをスピーカーの両脇に置く、そうするとスピーカーが際立つし非常にスッキリとした見た目になる。スピーカーの間からラックを取り除くことで音場の形成も容易に奥行き感も出しやすい。
前回のオーディオアルケミー回で気づいたのだけど、スピーカーの間にラックがあると、もはやスピーカーの音ではなくラックとその機材の反射音を聞いているような気分になった。少し大げさな話かも知れないがスピーカーの間の空間というのは非常にデリケートなのだ。
ラックの高さを抑えたりスピーカーを前に出したりなどの工夫をすればかなりの軽減はされるがはやり”見た目的な心のS/N”は低下したままだ。
ついでに書いておくと、何もないのはそれはそれで音が悪くなってしまう!(オーディオって怖い)

さらにもう一つ気がついたのは、プリアンプとパワーアンプの間のケーブルをカナレの5千円程度のものから、NORODSTの40万円ほどの長尺ケーブルへ変えたときのことだ。(※6.0mのFREYでさえかなり苦しかった)6.0mあるFREYを引き回してあのカナレと比較した。
驚くことにたいした差を感じなかったのだ。人によっては超重要と捉えるかも知れないけれど、その時は、DACの電源ケーブルやUSBケーブルへの投資の方まだ可能性を感じたし実際USBケーブルの方が変化量が大きかった。(※NORDOST限定の話)

またノードストの下位ランクのインコネケーブルはかなり細いのだけど、単線を利用してるためにすこしケーブルがうねる。それがやや見た目をわるくしている。
業務用の性能が高いとかケーブルに意味が無いとかはあまり言いたくはないのだけど、プリパワー間のケーブルの意義を少し考えた。
ノードストだから長く引き回すとあまり良くないとか、もともとインコネの重要度は低いとか、一定の長さを超えたらケーブルの性能差が出るのか出ないのかいくつか疑問は残る。

なんにしたって、スピーカーの間にラックが来るのは綺麗とは思わない。
ただそれが出来る電源コンセントの位置だったり部屋の広さだったり専用ルームで無い限りはかなりの制約が出てきてしまうのはやはり仕方ない。

ラック動かざること岩のごとし
オーディオマニアのラックを動かすというのは一大事なのだ。
だからこそ、はじめはカナレやベルデンの安いケーブルを長め買って、位置調整を入念に行いたい。スピーカーを決めてパワーアンプとプリアンプが揃ったら大方ケーブルの必要な長さが決まると思う。

ただでさえ動かしづらいオーディオラックではあるけれどそれが、プリパワーのインコネを自分の好きなケーブルにしたいとか、電源ケーブルをクリーン電源からとりたいとか。
そういった個々の好でオーディオラックの動的制約は非常に強いと感じる。

だから、今こそ原点に立ち返って、プリパワー間のXLRかRCAケーブルをカナレにしてラックを離してみるというのはどうだろうかと思った。
なにより、新築するにあたって部屋の容積が三倍四倍になる。そうするとインコネの長さもかなり必要になってくるのだ。加えてケーブルを表から見えないように壁や床に収納するように設計するとこれまた余分に長いケーブルが必要になってくる。
この長尺ケーブルをNORDOSTだとかカルダスだとかにしたらまたいくらかかるか分からない。10,20m級のインコネの中古もあまり出てこないしそもそもが高いし、また買い換えたり…移動したり…なんて気持ちになれない。
カナレはある種の内部配線、アンプ内のハンダや配線だと思ってそこは変えられない”ボトルネックにすらならない部分”だと思ったらすこし変える気分になれるだろうか。

良いケーブルはそれ自体がオーディオシステムを縛る要因になると思う。
オーディオシステムを組むというのはやはり高く難しいのだ。

結論:長いケーブルは高いが、ラックは外へ出したい。そんなときは”カナレでいいやという気持ち”があってもいい。

時折ネットでは、ヨルマだとかノードストなどの超高級ケーブルを10mだとか15mだとか20m!特注している人を見かけるが部屋どれだけ広いんだーHENTAIだー(AA略)
いずれそうしたいけどね。(^_^)v

おわり。

★CANARE かなれ EC07B BLACK XLRメス-XLRオス【サウンドハウス】★CANARE カナレ
EC07B BLACKXLRメス-XLRオス