8月の強烈な猛暑が過ぎ去って一段落したところに巨大台風とともに新潟は熱波が襲来。最高気温36度の中おそらく26回目のF社での打合せを行う。
この日はちょうど9月の第一日曜日で多くの中学校が体育祭を行っていたけれど、午前中には遠くから聞こえていたマイクの音も午後にはシンと静まりかえってただ強い日差しと真っ青な空だけが降ってくるような静かな昼下がりF社へ向かう。
白とシルバーのようなグレーのグラデーションが神秘的で近未来的でもある不思議でシックな外観ができあがった。ここにまだ本当の玄関扉とその周囲の木の外壁が貼られる。全体を白とグレーで統一しているちょっとオシャレな感じの見た目になると思う。
9月中には足場が取れて晴れて新居!って感じになると思う。
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家の話し合いはついにというかようやくというのか、オーディオルームの話がメインになってきた。前回、一番最初の提案を社長から受け取ってあれこれ要望だったり疑問をぶつけたこたえが来た。
前回との変更点
1.書斎エリアの上げ床が110mmから140mmへ+照明追加
2.エリアを仕切る衝立は左右から出入りできるように
3.防音扉をもう一枚追加
4.吸音面や拡散面を移動追加、より具体的に
5.天井の構造を見える化
1.書斎エリアの上げ床が110mmから140mmへ
2.エリアを仕切る衝立は左右から出入りできるように
この家はできれば死ぬまで住み続けたいし、家族も一緒に年を取りながら暮らしていきたい。そのためにバリアフリー化が必然的になってくる。
上げ床も衝立もできればない方が良い。しかし見た目や機能性、音質面を考えると間違いなくあった方が良い。
一般的な階段の一段の高さは20cmその中でしっかりと床が上がっているのが分かり効果が見込める最低限の高さそれが14cmらしい。
実際端材を積み上げて14cmを出してみると案外低いことが分かる。
またこの段差には映画館のようなイルミネーションを取り付けてさらに安全性を高めた。夜などとにかく暗い方が自律神経にやさしいことが最近分かったので夜明るい光をできるだけ浴びないよう、部屋の照明はできるだけ暗く最低限にするようにしたためだ。
衝立は介護やこの部屋に人が集まることを考えて左右から出入りできるようにした。また衝立の高さは段差で躓いても大丈夫なように手がかかりやすい高さにした。現在の階段の吹き抜けやキッチンのカウンターを参考に使い慣れた高さの、段差に上がって90cm下からは104cmとした。
この手の高さは慣れだと思うけれど、転びそうになったときの咄嗟の動作では微妙な高さが生死を分けるかも知れない。
また天板の幅を20cmとしてやや広めにとった。これはおそらくここに飾りを置いたり、ちょうど良い高さで入り口に入ってとりあえず置くコーナーになると思う。加えて、衝立は壁にならないようにくり抜かれたような形になる。壁コンセントを付ける壁や構造として支えるための柱が出るくらいだ。
壁に穴が開くことでラックへのアクセスも楽になり長くオーディオライフを楽しめるはずだ
左右の出入りできる通路は段差は袖が出る形に変更された。これは入り口に入ってすぐ段差は危険なこととデザイン的な面で出してある。
3.防音扉をもう一枚追加
この部屋は大きいので出入り口が2つある。これまで片方の扉は防音扉を採用していたけれど、二重の扉になっている片側に関しては普通の扉を使っていたけれど、防音扉は2枚使用することになった。これで部屋の遮音力はさらに高まったし隣の部屋の使い勝手も大きく変わったと思う。
ただ、防音扉に関してはピッタリと密着させるために締めるときはぎゅっと押してあげる必要がある。まだ現物を触っていないので何とも言えないけれど、生活するエリアのドアが極端に重いとそれだけでストレスになると思い、片側を2重の普通の扉にしてあった。しかしそれでは防音性能としてあまりに中途半端であるし引き戸を2カ所密集させるのは効率が悪い。
介護視点で家を見れば扉の開け閉めは軽い方が良い。そこで爆音を出したり静寂が必要なとき以外は片方の防音扉を開けっ放しで固定しておくという計画にした。
ついでに、高級品や趣味のモノが収まる専用ルームには扉に鍵は必要か?訊ねると最近の部屋では緊急時のことを考えて鍵はほとんどの場合付けないという。そもそもイタズラするような子供がこの部屋に来るとは思えない。
4.吸音面や拡散面を移動追加、より具体的に
5.天井の構造を見える化
オーディオマニアなら誰しも経験があると思う、部屋の隅の音の処理について。天井の四隅、床の四隅、その点を繋ぐ辺の隅は音が悪くなるポイントである。今回の部屋では前後の四隅と床面の二辺は凸させて角を消している。
オーディオアクセサリーの角を潰すタイプの吸音拡散材はとても高いものが多いけれどその効果は間違いない場所のようである。それが部屋全体に施せるのだから専用設計の部屋がどれだけいい音に近づけるのかがわかる。
出窓の下にはベンチのような角を潰すようにしてあるし逆側も同じようになっている。また壁の吸音は4カ所設けられた。スピーカーの真横とリスニングポントの真横の左右だ。リスニングポイント真横の吸音はとても大きくこの部屋の最も目に付く壁に設置されているので、石井式のような吸音材にそのままサテン布をかけてしまうと黒にしても紺でも白でも部屋がとても不気味になる。
オーディオ業界ではずっと見た目と音との兼ね合いが非常に難しいことはオーディオマニアなら誰しもが知っているとは思うけれど、ここはF社のデザイン力の見せ所だ。どうやらもうすでに構想しっかりと練ってあるらしい。
天井では、構造の梁に梁形を付け加えて屋根に沿って徐々に天高が上がっていくような構造を取っている。天高330cmの下地にシナベニアの本天井が作られる予定だ。梁は珪藻土をつかって壁と一体化させる。
そう、この部屋の壁の仕上げは調湿や防臭性にすぐれた珪藻土だ。またその硬そうで音を強く反射するようで多孔質の珪藻土はビニールクロスよりもその反射は穏やかだという。
四本の梁形と縦4列のシナベニアが天井になる。
ここでは詳しいことはかけないけれど、天井だったり床を上げた内部などオーディオルームならではの表から見えない工夫がちりばめられている様子だ。
大分疲れてきて、ぼーっとしながら危うい話し合いが続く。
オーディオルームの設計はひたすら初めての連続だ。
やはり、部屋を作るというのは非常に贅沢で普通にはまず見られない何かに沢山触れられる貴重な体験だ。
音をよくすることはもちろん居心地も追究するこの部屋は究極を目指せるのか。完成まであと2ヶ月とすこし、特別な日常は続く。折り返し地点はもう過ぎた。
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余談ではあるけれど、このような立方体の発泡スチロールを部屋の天井四隅に貼り付けるだけでも効果の高いルームチューニングが望めそうだ。素材が柔らかいだけに好きな形に加工するのも容易だと思う。見た目も好きなクロスを表面に貼るだけで良い感じになりそうだ。何より低コスト。