ここのところ、Youtubeでの活動にひたすら力を入れて、順調にチャンネル登録者数と視聴時間を延ばしていき予想よりもずっとはやく、チャンネル登録者数1000人、そして過去12ヶ月の再生時間が4000時間を超えたのでした。
現場へ足繁く通い、写真と動画を撮り、建築の進捗と今後の計画を確認してと、今までにない忙しさに身を粉にして働いているようです。

サッシの発注が終わり、ここ2回の話し合いではだんだんと細かなところが増えてきていよいよ新しい家の実像が見えてきたようで、忙しさと混乱の中、わずかな希望を信じて寝る暇も無いくらい未だにずっと家のことを考え続けるのでした。

家の骨格から内装へと話は移り変わり、このブログで最も興味関心ががあるであろう、オーディオルームの設計へと足を踏み入れるときがきました。
オーディオの家を建てるといってもぶっちゃけここまでは、他の新築の設計と変わりなく、オーディオっぽい話はたいしてありませんでした。一つ言うならば、毎回の家の設計の話し合いがオーディオショップの試聴室で行われているくらいでしょう。

今回はオーディオルームだけに絞ってここまでの工程と今後の計画予定をざっくり見ていきましょう。

家の間取りから始まって、オーディオルームの大きさの検討が同時になされ、防音レベルの設定、天井高や大まかなイメージが決まりサッシや室内扉の明確な位置や大きさが決まり、フローリング素材と壁と天井のざっくりした仕上げが決まり
現在は、天井の構造、部屋の棚やしつらえを大まかに決めて…

と、まだまだ実際のオーディオルームがどうなるのか見えてこないような感じですが、これから電源コンセントの位置と照明の種類や位置を決めてきます。

今のところのスペックを大まかに説明すると、
2F、天井高最大3.1m平均CH2.85m
リスニングポイントとPC作業スペースの二つのリスニングエリア
出窓のある明るい部屋
防音レベルは最低限(窓と換気扇、床壁の一部は防音仕様)
床暖房完備、スピーカー面だけ床特別仕様
壁は珪藻土、天井はウッドパネリング
デスクの後ろは壁一面ラック
ホルムアルデヒド対策 24時間換気は第一種換気
オーディオオンリー、TVプロジェクタなどビジュアルは別部屋

ここまできてようやく、オーディオルームについて書くことができました。
家そのものの天井高は2.5mに設計、オーディオルームを2Fに持ってくることで屋根の形状をオーディオルームにあわせて切妻屋根に、梁を他の部屋よりも高くして、最終的な仕上げは梁が少し出る感じにすることで普通の木軸構造でオーディオルームとしての天高を確保。

上の図では中央に角度がついた4つの線がありますが、スピーカー側から天井が上がっていき3本ある梁にあわせて天井を勾配させ音を拡散させる設計です。オーディオルームの音の半分は部屋の比率、残った要素の多くを抱えるのが天井の構造です。それから壁や床の素材、が続きます。
もちろんスピーカー側の壁や左右の壁が平行を嫌ってハの字の形をしていたりすることも効果がありますが、一軒の家の中にある部屋にはデッドスペースがあまりに多くなるので現実的ではありません。
床と天井は普通の家では平行面ですが床に凹凸を付けることは現実的ではなく、必然的に音の拡散要素は天井に集まっていくわけです。

加えて左右の壁から出た羽のような出っ張りで後ろに行くにつれて音が減衰していきます。これについてはまだちょっと邪魔だなくらいにしか思っていませんがちゃんと意味のある構造だそうです。

列挙した要素を見て、アレ?と思った方は大分部屋を研究しています。
専用オーディオルームなのに出窓があって良いの?と思った方がきっといるでしょう。一つ前の案では出窓が40cm出ていましたが、軒の関係上、20cm程度に抑えられました。それでも家の壁の厚さが80mmあるため外から見たらあまり出窓である印象は薄いでしょう。
そして最大の懸念材料である出窓による音への悪影響です。一般的に出窓はオーディオルームには不向きとされています。しかしそれは多くの家が、部屋に対して出窓をシンメトリーに取り付けていないためです。
現在の部屋では大きな出窓がありますがトリノフでの測定結果も聴感も良好です。

そうオーディオルームでなによりもとにかく大事なのは、部屋をシンメトリーにすることです。左に窓を付けたら右側には飾りの室内窓を付けるくらいに。
オーディオルームに至ってはどのような提案や要望に対してもシンメトリーであることが要求されます。部屋はできるだけ凸凹が多い方が音の拡散が良くなることはオーディオマニアの誰でも知る所ですが、その凸凹は必ず左右対称である必要があります。
上の図面では左に窓が2枚あり右には出入り口が2カ所あります。その幅や位置は揃えられます。
これまでも部屋をシンメトリーに近づけることで音が良くなった事は何回か経験していますが、オーディオルームの設計においては恐ろしいまでに徹底してシンメトリーを貫いています。
ただひとつ偏っているとすればオーディオラックくらいでしょう。

このシンメトリーさは、マンションや建売の住宅ではなかなか手に入らない優位性です。RC造のマンションではどうしても骨格の柱や梁が部屋のどこ隅にカクッと出っ張ってきたり、建売の住宅でも間取りの都合上シンメトリーの大きな部屋というのはなかなか難しい現実があります。

今のところ、リスニングルームの設計は、部屋をシンメトリーに造るそして天井を高く勾配させることが大きなポイントでしょう。その他様々な智慧と工夫が盛り込まれると思いますが、実際に内装の施工が始まるまでは見えてこないオーディオルーム特有のポイントが結構あるかも知れません。