とにかく忙しい。
引っ越しを迎える前にくたばりそう。どうもみかさです。

2つの家の整理と清掃に追われる毎日。この頃なんだか調子が明らかにおかしいと思っていたら、どうやらハウスダストアレルギーが強く出てしまっていたらしい。
普段長居しない倉庫になっている部屋でずっと作業をしていたり、忙しくて部屋の掃除機掛けを怠っていたり、なによりマスクをせずに作業をすることが多かった。
やることがあまりに沢山あって疲れている中で、鼻喉中気管支とダウンしたようだ。アレルギー反応は胃腸にも来るようで衰弱する手前だった。

10月1日。4回目の打合せのはずが体調が優れずに自分だけお休みとなった。
ちょうど風邪がはやり始めた頃、担当のIさんも不動産屋のN氏も風邪を引いてマスクをつけていたという。
幸い?土地の取り纏めの話がメインだったのでとりあえずほぼ全てを任せた。
家の設計はと言うと、1F部分だけの大まかな図面が出来ており、2Fはこれからだという。

そして5回目の打合せ。ようやく体調が少し整って、10月22日に参加できた。
家の取り壊しが11月5日からに決まり半分ある土地の売買契約も結ばれて、ここで初めて家の設計に本腰を入れるところだ。
秋晴れの青空の下、いつものようにF社へ向かう。いつもと変わらない店内の様子、奥へ行くと図面が3セット用意されていた。

事前にいろいろと要望を伝えてあるのだけど、第一案としては結構良い感じにまとめってきた印象だ。
この頃、ネットや本で家のことについて間取りやら工法やら素材やら調べ回っているのだけど、オーディオルームを抱える家を作るにあたっては、その一般的な凡例が通用しないことが多々ある。
まずオーディオルームという存在がかなりイレギュラーな存在だ。
家の中でも非常に大きな面積をとるし、普通の部屋と機能にプラスしてオーディオ専用の部屋を挿入していかねばならない。
オーディオルームを主軸に必要な部屋を肉付ていく感じかも知れない。

出来ることならオーディオルームは母屋から独立したはなれの状態にあるのがもっとも音をよく出来て、住むための家の設計も楽になると思う。
そうでなくてもオーディオルームがある家というのは普通の家よりも大きくなることはまず間違いなだろう。
リビングオーディオにしても専用ルームを作るにしても、スピーカーやオーディオラック、ソファなどが部屋に入ってくると、20畳だろうが部屋が狭くなる。ハイエンドオーディオならなおさら部屋がパワーアンプやケーブルで圧迫されるわけだけど、とにかくオーディオルームは広くなくてはならない。

加えて自分はオーディオルームを事務所(?)書斎として使いたいのでなおのこと、広さが欲しいし天井高も欲しいところだ。
そうしていくうちに1Fに置きたかったオーディオルームは大きくなって2Fへ移動させることになった。風呂やキッチンリビングなどの生活動線になる部屋は1Fへまとめないと後々苦労する。若い頃は良いとしても年をとったり怪我や病気をすると玄関からすぐに生活動線があるのがとにかく便利で楽なのだ。

そうして、2Fにオーディオルームがある家の設計図がとりあず第一案としてできあがった。
1Fの自由度を上げつつ2Fを片流れ屋根を用いて天井高をかせいでいくというかんじだ。
片流れの屋根を採用することで、屋根自体の強度も上がり、コストも下がるという。さらに1Fだったら掘り下げる必要がある天井高の確保も思いの外低コストで済みそうだ。
ところが、思っている以上に家事動線の設計が難しいことに気がつく。人数の割にそれなりに広い家となっているはずなのに、キッチン周りがあまりにも窮屈になってしまってどうにも解決策にまでたどり着けなかった。
このあたりは、来月また住宅展示場へ行って研究する余地があるようだ。
しかし本当に、出来合の家というか一般的な家があまりに参考にしづらく色々な面で難航することが予測されるけれど、そこはオーディオショップへ依頼しているという信頼感の元、信じてオーディオハウスを作っていくしかないのだ。

オーディオルームの具体的な防音レベルをどうするかとか床材に何を使うとかまだ細かいところは決まっていないのだけど、まずは間取りを中心に今後煮詰めていく予定だ。
というのも、オーディオルームに関しては大体の形があるようで、もうほとんど決まっているも同然らしい。あと大事なのは、どれだけ使いやすく見合ったコストで建てるかどうかだけだと社長はいう。

その家にどう住むか?どう暮らしたいのか?今後の人生設計を思い浮かべつつ新しい生活をシミュレートしていくとなんとも可笑しくもワクワクしてくる。

しかし困ったことに今住んでいる家は小さなこと共3人抱えた母が9割設計したもので、ちょっと普通ではない部分がいくつかあって、変なことには慣れているはずの社長も少し引いていた様子だ。
その一つが、リビングだ。現在リビングをオーディオルームとして占領してしまっているがこれが新しい家では普通のリビングへと変わる。
そうしたら、これからのリビングをどう使っていけば良いのかお互いに首をかしげた。
設計をしている社長もこの図面を引きながらリビングの使用用途がいまいち分からず困っていたのだ。

もう一つ衣類と風呂の計画だ。今の家はリビングとダイニングにあらゆる機能を集中させており、リビングにいるだけで1日のほとんどの事が済むようになっている。着替えを置いておくスペースはダイニングにあって脱いだ服は脱衣所の前に置いておけるスペースがある。母曰く子供の為に朝スムーズに通学出勤出来るようにしたという。
だから一番広くて機能性が高いリビングにオーディオつまりは現在の自分の居場所を構えてしまったのだけど、もともとうちの家族は、自宅にいるときはほぼリビングにいて、勉強したり、寝るときだけ自室へ帰るような感じになっていた。
個々が自室で暮らすというのがどういうものなのかいまいち分からないのだ。

そんなので、家を建てるというのは人としての何かが全面的に試されているような感じがした。だらしなさだったり特徴だったり癖が際立って出てくる。自由設計の家だからこそ、そいういった内面的なところが、如実に表面化してきて変な笑いがこみ上げてきた。

そうこうしているうちに、図面と対話しながら2時間ほどが経ち次の回へと持ち越された。
事務さん曰く、あまり熱くなってここで5時間ぶっ続けで話し続けたこともあるという。今度は1時間くらいで休憩入れましょうね。
というと社長は「家造りは体力勝負ですからね~」

期待と不安が入り交じる。ちゃんと完成までこぎ着けるのかある意味で自分との戦いだ。

つづく。