引っ越しまであと20日を切って、本格的に慌ただしくなると同時にもっと慌ただしく仕上げ作業が行われる新居の様子を見て忙しなく引っ越しの準備と家の確認作業に追われてもはやブログ書いている余裕がない中30個目の記事を書きます。

動画とブログと写真整理とメール作業と同時進行している今日この頃一体何をどこまで進めたか自分でもいまいち把握できずとりあえず、引っ越して落ち着いたら荷物も写真もいろいろ整理したいです。


この家本当にシンメトリーに拘っていて、リビングの収納棚兼AVラックもキッチリとシンメトリーを維持て、さらには天高を調整してリビング空間は上げつつもキッチンコーナーは天井を下げるような起伏を持たせています。
部屋の形状もきれいな左右対称で程よい天高のため今いるリビングよりもおそらく普通に作ったはずの新しいリビングの方が音が良くなりそうです。
造作棚は前回の記事にも書いたとおり大工さんが一枚の板から作るわけですが、できるだけ継ぎ目のない見た目のしたいので普通の三六板ではなく四八板という一回り大きいベニヤ板を使ったり、棚を壁や天井から少し話して浮遊感を作り奥行きや開放感を演出したりと、随所に拘りがあります。
造作棚はオーディオルームとリビング以外にも、玄関の靴箱収納もまた手作りで社長の拘りが随所に散見できます。

天井の梁型もシナベニアがシンメトリーに貼られて塗装されました。
キッチンの上の天井はうっすら白く塗装された木を貼りました。ガスコンロでは内装制限があり天井に木は貼れませんがIHは自由です。
また見えないところですが、すこし下げたキッチンの天井裏にもちょっとしたオーディオショップが作る家らしい工夫が施されています。

 

珪藻土の下塗りパテの様子です。天高を上げた分だけ内装の仕上げもコストアップします。

珪藻土の塗り一回目です。二回塗って塗膜の厚み2~4mmを目指します。

オーディオルームだけ、壁と天井の仕上げを珪藻土にしました。本当は漆喰を使いたかったのですけど、珪藻土と漆喰ではコストがかなり違うので安い珪藻土です。とはいっても普通のビニールクロスの2~3倍くらいコストが高いです。
しかしその効果は部屋に入ると身体全体で感じることができます。
まず部屋に入る前からその淡く白い壁が目に入ると明らかに異質な雰囲気に部屋に入ったところでおおおっとなりました。
室内は独特の空気で壁がヒンヤリしていて鍾乳洞のようで匂いもまたそんな雰囲気です。薄らセメントぽい匂いですがツンとこない感じです。

珪藻土は見た目の美しさと機能性が高く評価されているところではありますが、オーディオルームではその音の違いにも驚くところです。

部屋で普通に話していても声がとても響きます。囁き越えの小さな残響も美しく抜けていくような濁りのない反射音を感じます。
石膏ボードから珪藻土を塗っただけで”音の質”が驚くほど違うのです。
これは部屋を作っている人にしか分からない贅沢ですが、表面仕上げによる音の変化は誰にでも分かるレベルで明らかにいい音に近づいているのが分かりました。
珪藻土や漆喰などの塗り壁は通常2,3回に分けて塗られます。また塗る前の下地材を石膏ボードの隙間と釘とネジの上に塗る必要があります。その都度マスキングをして人が手で塗っていくわけですからビニールクロスとは比べものにならないくらい手間がかかります。
またオーディオルームでは天井の高さもそうですが梁が4本ありその間は天井反射板の骨組みがあったりして、施工性が非常に悪いです。
三人がかかりで一週間以上かけてオーディオルームの珪藻土の施工が行われました。粘りがある漆喰ではもっと時間と手間がかかります。
クロスでは3日で終わるところです。

珪藻土の施工作業をしている様子を動画にしました。
下地から珪藻土作業完了まで映っていますのでご覧ください。

オーディオマニアは常々天井高が欲しいだの広い部屋が欲しいだの声が聞こえますが、部屋を広くすればするほど、天高を30cm上げるだけで想像以上のコストがかかってきます。
世界のよくできたオーディオルームを写真で眺めているだけでもこの部屋は途方もなくお金がかかっているとか不思議な施工をしているとか今までにない気づきが沢山増えました。ただ良い部屋だではなく、どんな素材がどう施工されているかじっくり見ると他人の部屋でもとても面白い勉強材料です。

これから天井に反射板が貼られ、吸音壁に吸音材が充填されて、照明が点いて、エアコンや換気扇が取り付けられ、カーテンが取り付けられて、床の養生が取れて、防音ドアが嵌まって、家具が搬入されて、オーディオが搬入されて…とまだいくつもの変化がまっています。
施工が進む毎に見た目が変わり、音も変わっていきます。部屋をただ作るだけではなくこうして、できていく様子を実況できるのは非常に幸せです。
現場に行く度に、いろんな職人さんに会い、様々な建材や施工を眺めつつオーディオルーム以上の新居への期待が膨らみます。

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