家を建てるという人生のなかでも屈指の大イベントの真っ只中。どうもみかさです。
引き渡し日が11月30日そしてその日にオーディオを移動。そのまま12月2日に引っ越しでは身体がノックアウト1発KOになりかねないので引っ越し日を一週間延期させました。サカイ引越センターで1ヶ月前から引っ越しを予約していましたがさすが引っ越し最大手!こんな時期に日時変更しても難なくすぐにOKがでました。やっぱり大事な業務は信頼できるところに頼むに限ります。

家の方は仕上げ作業の真っ最中で、もうキッチンが入って壁紙がほぼ全室貼られました。それと併せてファサードの土留めと犬走りのコンクリート打設も昨日行ったようです。
白い壁紙が貼られると現場は一気に住宅っぽくなります。

壁紙貼ってます。クロスにノリをつけるマシンです

リビングは造作棚が完成してキッチンも入って造作のカウンターとテーブルも作られました。キッチンに立つとまるでコックピットのような見晴らしの良さと清々しさ。

先週珪藻土の施工が終わったオーディオルームは天井の反射板が貼られる

珪藻土でバンバン反射していた音が一気に落ち着きました。
毎日のように現場へ通う社長曰く、思っているよりデッドになっているのでスピーカー側の部屋の四隅につける反射板はなしにしたほうが良さそう。そんな風に現場でじっくりと音を確認しながら部屋を作っていきます。
普通のハウスメーカーではこのようなことはまず許されません。納期の中で作ることはもちろん、最も高い人件費削減のために一日でも作業は短く簡単に済ませる必要があります。また設計の追加や変更などは現場では大きな負担になります。なにより一度きれいに施工した箇所をやり直しさせるのは現場の士気が落ちてしまいます。
オーディオルーム以外も一つ一つ丁寧に確認しながら様子を見ながらの家作りです。数万あるパーツを選びそれをどう使うのか気の遠くなるような試行錯誤が続きます。


オーディオルームの天井の詳細は動画にまとめたのでYotubeでご覧ください。説明欄にはちょっと解説を書きました。

ここ1年で頭の中の日本語辞典は言語数が千単語ほど増えたた様な気がします。家の細かい箇所を指す根太や軒天や巾木などの建築用語、部材として使われる人造大理石やガルバリウムなどの素材の名前、設備や金具などの名前などとにかく普段聴かない固有名詞がずらっと頭の中を駆け巡っていきます。

新しい単語が次々とやってくるそれだけでも大変なのにそれがどういう意味があって…デザイン、耐久性、使い勝手やコストと、様々な要素を加味しながら自分の家が欲しているものを慎重に選んできます。
外壁のカタログからフローリングのカタログなどその部材や設備のカタログを見て選んでいるだけであまりに情報量が多くて日が暮れてしまうのです。
もちろん専門的なところやどうでも良いところは設計士さんや社長さんに選んで貰う形を取っていますが、はやりせっかくの注文住宅ですから拘りたいところは多いです。

こんなことをずっと繰り返していると倒れる日はもう「すぐそこ!」って感じではありますが幸いもう明後日には検査が入りその次の週には引き渡しなのです。自分でもここまでよく頑張ってきたと自画自賛したいと思います。

そんな家作りですがあまりに色々なカタログを見て、住宅展示場やリクシルの展示場などへ足を運び暇があったら検索しながらずっと家のことを考えていました。
街を歩いていても新築工事をしている家を見つけると、「あっあそこはあの工務店が建てているな」とか、基礎を見ては「コンクリートの被り厚は…」とか「外壁は普通のサイディング」だなとかいろいろと考えるようになりました。

それだけではなく、いつもの散歩コースを見渡すと、この家はリクシルの車庫が入っているとか窓はYKKの上位クラスだとか、雨樋がガルバリウムの良い奴だとか、土間コンクリートはゴムパッキンだとか玉砂利入れているとか、窓がきれいに並んでいていいところで建てたんだなと、今まで全く気にも留めなかったいろいろな情報が入ってきます。

家を建てる作業を進めていくうちに自ずと、知識量が増えて経験が増えて街に建っている一軒一軒の家がどのくらいのコストで建っているのかなとか、どのハウスメーカーが作ったのかなとか、その家が注文住宅なのか建売なのかも分かるようになりました。

なにより、建っている家が注文住宅だと気づいてからは窓の配置やアプローチから玄関まですっと見るだけでその家の設計士や施工した人や施主さんがどんな人だったのかなんとなく感じられるようになりました。
家というのは様々なドラマがあります。土地探しをしたり実家を立て直したりとスタートラインすら同じではなく、どこのハウスメーカーに頼んでどんな家を作るのか考えてと、家作りは長い時間をかけて、設計士さんとの話し合いや家族と話の食い違い……玄関扉一つとってもその家族や人がどうやってそれを選んだのか考えてしまいます。

注文住宅という街のどこにでもある建造物は、様々な人間ドラマの上に形づくられそこに建っています。
作る人も設計する人も施主もそれぞれに喜怒哀楽の思い出があり一つとして同じ家はありません。
家の門構えはまさに人の顔のように様々な形や表情を見せてくれます。

ずっと「家作りは人間力」だと感じています。
施主のコミュニケーション能力だったり忍耐力体力精神力、想像力や協調性、好みやデザインセンス、素直さや人脈と出会いなどいろいろな要素が家という形を作っていくのです。
気が短い人、なんでも良い人、細部まで拘りたい人、よく分からない人いろいろあると思いますが、完璧な家よりもその人らしい家ってとても素敵だと思います。

だからこそいままで見なかった家というドラマを目の当たりにして、ただの散歩が遊園地を歩いているようなワクワク感をくれたことがなんだかおかしいのです。まだ知らない世界が住宅というこんなにも身近にあるなんて気づかなかったことに。

普段色々な物を目にしているようで人が見ることができる世界は限られています。
あるときヘッドホンオーディオに嵌まると街を歩く人の耳元を凝視するようになって、あの人はオーディテクニカのヘッドホンをつけているとかゼンハイザーのHD25の人だレアだなとか突然人の見方が変わったりします。
このような現象は医学的に言えば、脳の「脳幹網様体賦活系」が深く関わっており脳が必要な情報をフィルタリングしてピックアップする機能です。これがあるおかげで私たちは普段見る世界が情報の洪水ならずに済んでいます。逆にこれのおかげで興味を持たない限り色々な何かに気づくことはありません。見た物の全ては、目に入っていても殆どが脳に認識されないのです。

家の建築という膨大な情報を受け取ったら街が水墨化の淡いモノクロからカラフルでエモーショナルな世界に変わりました。
日々自宅で黙々と生活している自分にこんな事が起きるなんて想像もしていませんでした。家を建てていくうちに自分や人の可能性について気づき始めました。

人はなぜ勉強しなければならないのか、教養がある人がなぜあんなにも魅力的でいきいきしているのか、それは自分の知っている世界がどれだけ狭くて小さいのか知っているからでしょう。

自分の知らない新しい世界がまだある。

人生これから、様々な人との出会いや経験がどれだけできるのかまだ分かりませんが、ここに来て今までにないくらい昂奮しています。
ただ一つのきっかけから自分の人生が大きく広がった瞬間に今いるのです。

今後新しく建った家に住みながらじっくりとこのチャンスが訪れたことに歓びと感謝を色々な誰かに伝えていきたいと思ってブログを書くのでした。

おわり。

 

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