気象庁の1ヶ月予報によると今年の夏は冷夏だという。これほどまでに嬉しい知らせはいつぶりだろうか。梅雨に入ってすこし肌寒く感じるくらいには涼しく7月に入ってもまだ30度を超える日が数日程度しかなく
建築現場を見に行くにしても屋内で話し合いをするにしても涼しいことに越したことは無い。
去年の凄まじい酷暑では現場の大工さんたちは日に日に細くやつれていったという。急いで冷風機を導入したり大変だったらしい。

去年の7月
日本海側でも観測史上最高気温を記録した

関東一帯も満遍なく酷暑
もはや酷暑よりももっと上位の言葉が欲しい。

しかしながらある程度は暑くなってくれないと困ることもある。
そのひとつがシックハウス症候群だ。ホルムアルデヒドから不快な臭いまで温度が高かれば高いほど揮発性がよくなるはずだ。30度と35度の5度程度の差にどれほどの消臭効果があるのかは些か疑問ではある。
とにかくシックハウス症候群の心配はかなりある。

問題のチークと西南桜のフローリング

それとはまた違う話だけれど、序盤の方で選んでいたオーディオルームのフローリングがちょっと心配だと工務店さんのほうから声が寄せられた。
ひとつは、扱ったことの無い店と商品であるために本当に使える材料なのか不安があること。フローリングは結構広い面積を張ることになるの。工場で大量生産されるフローリング材は欠けや塗装のムラ、木材的に使いたくない場合など、ある程度は検品されて弾かれるわけだけど、それでも現場でじっくりと施工していくと使えない材というのがどうしても出てくるという。
F社で推薦されたフローリングでは実績があるし、加えて返品保証が付いているという。使えない材料がでたらその分だけ追加料金無しで交換してくれるシステムだ。ネットの業者から注文すると保証がなく見積もりよりもずっと高くなってしまうことが予想されるという。

もう一つは、シックハウス症候群の心配だ。HPの説明書きをよく見ると、シックハウス発散等級が”規制対象外”となっている。
これについては販売店へメールしたところ、このように返事がきた。

無垢フローリングの場合(FJLタイプを除く)は建築基準法で発散等級の規制対象外になっています。
UNIタイプに使用されている接着材はF☆☆☆☆相当です。
原材料に微細に含まれている場合がありますが、ほぼ発散はないと考えていいと 思います。

もともとホルムアルデヒド発散等級は新建材(合板等)で使われている接着剤等 の化学成分でシックハウスの恐れがあるものを対象にしているため です。

他のアレルギー物質の含有量については他の建材も含めて検査をしていません。

完成したフローリング材については規制対象外なので測定はしていないが、使っている接着剤は安全なものだという。

不良品の交換についても、メールにて解答があり、不良品はしっかりと交換するしそもそもそんなに不良品は出ないとの事だった。
しかしながら、オーディオルームの施工は誰もがかなり神経質になって行っている。その中で知らない店から送られてきた知らない材料で過不足なく施工が終わるのか少しばかりの不安が残る。

今回現場に入っている大工さんたちのチームは本当に優れた職人ばかりだ、そんな人たちが「いまいち」だと感じる材料を施工させたくはないし、仕上がったときにお互いに残念な気持ちになるのは最もよろしくない。 一般的な工務店やハウスメーカーよりもずっと良心的で拘りのある本物の職人が集まっている。
なにせオーディオルームという特殊な分野でF社の無理難題にこたえてきた一流のチームだ。こんなに信頼できる実績もないだろう。

左が桜、右がカバ
使いたいのは左ただ現場での不安要素が多い

うっすらとピンク色を帯びた美しい板目の桜。そしてなにより音が柔らかく、臭いが少ない。
対して、F社で提案された人気ナンバーワン?のカバザクラ。表面のウレタン塗装はとてもさらさらしていて見た目は角度によってキラキラと銀色に輝く。ただすこし黄色いのと若干の臭いが気になる。

もう一つ問題となっていた、玄関周りのウッドパネリング。木は二つの中からどちらかを選ぶことになった。
左が米ヒバ、右がヒノキ。ヒバは表面が正目で見た目はとてものっぺりしている。ヒノキは板目で木目がはっきりしており外壁として張られた場合にはとても木感が出る。臭いはヒノキよりもヒバのほうが強く感じられた。
ウッドパネリングの場合は、下地が不燃系のものに変わって、そこもコストがあがる一因になっている。

コスパが高いとされるガルバリウムの外壁と比べると玄関の一面だけで約40万円ほどのコストアップとなった。加えてウッドパネリングは定期的に塗装をしなければ以前も言ったようにボロボロになる。
10年に一度くらいで良いとのことだけど、ガルバと比べるととても贅沢だ。

 帰り際にハウジングこまちを頂いた。F社が手がけたオーディオルームや音楽室が3例乗っている。また新潟県で建てられた家が紹介されている。
表紙には30代で建てる家とあるけれど、どの家もすこしばかり小さいかなと感じた。おなじみのあの住宅展示場も乗っていてなんだかこの辺の情報はもうテリトリーみたいな雰囲気だ。
この手の雑誌はもっと早く買って見ておくべきだったかも知れないけれどその存在すらすっかり忘れていた。


家が完成したら雑誌に載るはずなので、プロのカメラマンをちょっと期待して待ちたい。

ハウジングKomachiVol.28 2019夏・秋号

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