※一つ前の記事の続きです。

8月が終わり台風の9月がやってきた。
未だに最高気温35度越えなんていっている地域があるけれど

もう耐えられないと、部屋の端っこに収めてしまったアッコルドさんを復帰させた。

 

アッコルドはスタンド込みで一台20㎏もない軽いスピーカーなのだけど
あまりに端っこに寄せてしまって倉庫番の詰み状態になってしまい

人生初のぎっくり腰をやってしまったり腱鞘炎が悪化したり夏風邪を連続で引いたりして
戻したくても引っ張りだせないもどかしい日々が続いた。

未だに体調が万全では無いけれど待てど暮らせどその日がこないので奮起して元に戻すことにした。

いつもより入念に身体をチェックして準備運動をして……

この作業をやたらに難しくさせているのが黒檀のスパイク受けがぴったりと床にくっつく問題だ。
1週間ほど動かさずに放置しているとフローリングのワックスが悪いのかぴったりと床にくっつく。

垂直方向へスピーカーを持ち上げて壁やパワーアンプにぶつけないよう息を止めて
慎重にスピーカーを出す。

着地点はそのままフローリングには置けないのでタイルカーペットを敷いた。
アッコルドを前へ出しただけでGIYAの音がガラリと変わる。

予想通り接着剤で固定したのかと思うほどにぴったりと床に張り付いていた

久しぶでアッコルドのLRを間違えた。

配線の方が時間かかった。
オーディオの配線はなぜだかテンションが上がり楽しい。
これがあるから、自分は定期的にスピーカーを入れ替えているのかも知れない。

例の最短接続も復活だ。
台座の鏡面メッキもアルコール綿で丁寧に拭いてピカピカにした。

本当に久しぶりのアッコルドの音出し。
一音一音、一言一言、音楽を歌を確かめている内に椅子で寝てしまった。
作業が終わった達成感と、アッコルドさんの音の安心感と一緒に。

GIYAでもしばしばやってしまうのだけど、アッコルドは早い。
結構な爆音の中1時間ほど椅子でうとうと熟睡していたと思う。

アッコルを置くことによって、GIYAの違和感がすっきり中和されるし
二つの音を自由に聴ける喜びがまた部屋に響き渡った。

思うにフランコのスピーカーは一度部屋に置いてしまったら終わりだと思う。
終わり。もう悪い女に取り憑かれたように部屋を侵され、
フランコスピーカーなしではオーディオができなくなってしまうのである。

2時間も聞いているとやっぱり飽きてきたなと思ってしまおうだけど
それが間違いで、GIYAを聴いてもまたアッコルドの音が恋しくなってしまうのである。

1年も聴いていると売ろうかななんて思ってしまうのだけど
数ヶ月も経たないうちにこれである。

ルパンの不二子か、釘宮ウイルスみたいだ。
不治の病らしく、完治はせず一生引きずってオーディオ人生を生きることとなる。

買わない聴かないが一番であるように思うけれど
一度買ってしまったら絶体に売らないと心に決めることで
手放しまったら最後、どこまでも誘惑が追ってくるように思う。

ああ、あと何回何年アッコルドを売る考えをめぐらせればいいのだろうか……

 

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