これだったらESOTERICの7NPC5500にも惨敗してしまうような実力でした。
あれから約半年、ついにきましたVALHALLAです。
ODIN様はどうにもこうにも値段が高すぎるうえに安く買おうとすると偽物なんてこともあり
とっても手が出せる品ではありません。ODIN様に関してはオーディオショップでぽんと新品を買うような余裕が必要かなと思います。
それはさておき、
システムの電源部分を見直しです。
壁コンから電源タップをつなげる電源ケーブルをVALHALLA 2.0mに
LUXMANNのプリアンプにHEIMDALL2を入れました。
後は変わらずです。
高級電源ケーブルはSACDトランスポートが最も効果が高いと言われていますが、
現在のシステムではLUXMANへNORODOSTを入れてやると大変相性が良いらしく
BLUE HEAVENですら劇的なS/N感を実現しました。
ESOTERICのトラポDACは付属の電源ケーブルです。
もしも機会があればPC5500を入れてやっても良いかなと思います。
音のレビューの前に、なぜヘイムダル2で落胆しPC5500に活路を見いだしたにもかかわらずVALHALLAにいってしまったのかについてです。
正直なところ、現行システムでアニソンを楽しむには、ESOTERICのPC9000シリーズが適役であるように感じました。これはほぼF社のIさんからの受け売りです。
確かにESOTERICのハイエンド電源ケーブルは海外のフラッグシップケーブルに対等に勝負が挑めるような実力があり、自宅視聴での印象も非常に良好でした。
しかし、この3月に行われた、あの試聴会にてODIN電源ケーブルをメインに使用したマジコと、
ESOTERICのケーブルとクリーン電源が使われたわれたシステムをそれぞれアニソンにて試聴させていただきました。
結果としてはマジコの圧勝であったように思います。
あのときの鮮烈さが忘れられずにNORODOSTに特別な想い募らせていました。
またノードストのハイエンドラインは中古市場に滅多に出ず偽物も多いです。その点ESOTERICの入手のしやすさと安心感は格別でした。
PC9100かPC9300に決めていたその最中、VALHALLAの中古がオーディオショップに突如出現したのです。
半分賭けです。ノードストに賭けました。ユニオンに価格交渉を頼み込み即金しました。
オーディオユニオンは基本的に中古も新品も高めですが、ちゃんと交渉ができればメールでもある程度下げてくれるようです。
導入しての結果は下の音質レビューを見ての通りです。
余談ですが、ノードストに対するケーブルの信頼は公式スペックにあります。
導線としての性能、伝達速度、ロス、などがそれぞれのランクですべて厳密に公開されており
例え音の違いが分からなくとも、数字という絶対的な違いがあるのです。
それは所有欲を満たし、音質の向上を保証するものであります。
一方で、他のケーブル会社はフラッグシップとエントリーですら銅の純度や本数、太さくらいしか差が分かりません。
このしっかりとデータを取って公開しているという安心感は何にも変えられないかなと思います。
■取り回しとか外観とか
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NORDOSTが誇る一つ前のフラッグシップケーブルそれがVALHALLA。箱は非常に簡素である その理由は二つ下の画像に。 |
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安心の説明書と納品書。代理店エレクトリのシールもしっかりとあった。 |
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通常木箱に入っているのだが、日本ではPASSのオプションケーブル扱いとなり下位モデルの箱が使われている。 外像もVALHALLAのロゴも無くさっぱりとしている。ケーブル長は2.0m。 購入時期は2014年で使用期間は1年半とのこと。 |
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プラグ部分は中古らしく少しの傷使用感があった。 |
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金メッキがされたフルテックの金メッキプラグはまだ美しい。 |
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VALHALLAまでになると、太さはODINと変わらず風格はまさにODIN譲りだ。 線を捻ると中の単線同士がひしめき合いギシギシと鳴る。 また単線が7本入っているだけに固い。 |
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非常に美しいケーブル。透明のジャケットに銀メッキがキラキラと輝く。 アースは二重螺旋のくるくるが緑色なのだけど表からは見えなかった。 ヘイムダルとヴァルハラでは単純に導体の面積が3倍以上になっている。この変化は出ないはずが無い。 |
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プラグはヘイムダル2と全く同じ仕様。フルテック。 |
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インレット側のプラグも同様。 |
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よく見えないが、壁コンは普通のパナソニック2口3穴ロック機構タイプ |
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【使用前】HEIMDALL2 AC Power 細い見た目に堅めではあるが取り回しは良好。 |
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【使用後】VALHALLA。ヘイムダルの3倍くらいは取り回しがわるい。 それでもハイエンドの中では非常に扱いやすい部類。 |
ヘイムダルの設置はF社のIさんにすべて任せたが今回は自らやることになり
いつも通り白手袋を嵌めて慎重にケーブルを這わせた。
やっていることはヘイムダルの時とおなじななのだろうけど
VALHALLAは重く固い。また万一断線させても保証はされない。
電源ケーブルが断線した話は聞いたことが無いが。
まずは箱から出して捻れや曲がり癖を慎重に矯正してやり
ヘイムダルと同じコースで電線を這わせた。
電源BOX回りがやや窮屈な仕上がりではあるが2mと1mしか選べなかったので仕方あるまい。
電源ケーブルは1.5mで統一してもらいたい感じがする。
■音質レビュー
はじめに感じたのは、音の芯が非常に太くなったことである。芯のしっかりと通った骨太さを感じた。
一般的にVALHALLAは芯の太さは弱めらしいのですがHEIMDALL2比べれば明らかに太く中低域を中心に量感が増え安定感が増しています。
細部を見れば、一聴しても解像感の上昇は著しいくボーカルやメインの楽器以外にも情報量の多さに驚きます。ステージのバックグラウンドが明確に描き出されるような解像感を持ち
録音スタジオの壁面すらも見えてくるような描写力に驚きました。
解像感が高くなり音が非常に生き生きとしいて、ヴォーカル物ではまろやかでありつつも存在を主張してくる。いわゆる抜けの良さとベールが1枚剥がれたような感覚を強く感じます。
あまりに鮮烈さにはスピーカとリスナーとの壁が取り払われ音楽と一体となったようで、まさしくライブの一番良い席で聴いているような感覚です。
さほど意識しなかったにもかかわらず、音の広がりがよくなりステージがふた回りも大きくなったような広大な鳴りっぷりで部屋の壁が無くなった以上にスポットライトがガンガン照らされたようなくっきりとしたステージの上に歌手やストリングスが居るようです。
今まで真っ暗で何も見えなかった歌手やストリングスの裏側がみるみるうちに見えてくるようで、
奥の方で音が小さな流れ星のようにスーッと消えていき、大きなコンサートホールの抜けの良さを感じます。
ボーカルでは口の動きが見えるようでいながらも肥大せずにしっかりとあるべき位置に収りました。一言で言えば定位が格段に良いです。
エブリデイワールドの早見沙織verではホールにリアルな口や舌の動き、表情が浮かび上がり
オペラコンサートののうで、言ってしまえば修飾されすぎたような感じもあります。
イメージとしてはデレマスの高垣楓さんが登場した最初のライブシーンのようです。
うちゅうひこうしのうたを聴いたとき、この曲は初めて聴いたのでは無いかと言うくらい
ボーカルの様子やバックの黒さがまるっきり違って見えました。
Valhallaがどうにも受け入れられないという意見がしばしば見受けられるのは確かにこれほどまでS/N感を上昇させ綺麗すぎるほどの美音になってしまい曲の解釈によっては違和感が出てくるのかなと感じる。
やり過ぎオーディオ。オーバースペック(リスナーの限界)を感じるも、PAWorksのアニメ背景のような作り込まれた美しさを感じた。
試聴曲一覧
高級ケーブルといえど、ここまで変わって良いのか?
屋内配線はホームセンターにあるような電線だし壁コンはパナソニックだし
壁コンから電源ボックスまでのケーブルを変えて音は本当に変わるのか?
HEIMDAL2からケーブルの交換にやや疑問を感じていたのですが
ここに来てすべてが払拭されました。
今回はケーブルの個性がこれほどまでに強いものなのかと衝撃を受けました。
ESOTERICの電源ケーブルでは感じなかったドラマティックな音でした。
次は壁コン周りをオーディオグレードにできたらなと思います。
久しぶりに良いオーディオ体験ができた日でした。
おわり。
2015/10/27 オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館 千葉 VALHALLA/2.0m 265,000円
銀行振込 +258円 値引き 2万円