1月が始まって2週間が過ぎた頃、前回の予約より1週間ほど早めての9回目の店頭での話会いを行った。時間が過ぎるのは早いですねと軽くため息をつきながら。
PIEGAのMASTERLINE2が迫る来るA試聴室でいつものように話し合いを進めていく。年末最後に家の延べ床面積を減らしてコンパクトな家にするという方針転換から約1ヶ月、図面はまだできていないようでこれから急ピッチで進めていくという。

まず家の面積つまりは大きさを小さくする、はやりこれからの時代コンパクトに暮らすというのがスタンダードになると思う。
デジタル技術で多くの物がデジタル化された現代、最低限の持ち物とスペースで小さく暮らすのがスマートだ。
何より様々なコストが安く済むし、家を小さくすることで建材の質を一つ二つ上に上げることが出来る。細かいことを言うならバスユニットだったりフローリングだったりのグレードは様々で、大きくて安っぽい方が良いのか小さくて高級感がある方が良いのかと、数学の動く点Pがもたらす面積みたいに限られた予算の中では最大公約数的な判断を迫られる。

よくよく考ええると、却下になった図面では、関東だったらそこそこの豪邸を建てようとしていた。去年壊したパナホームもまた結構な豪邸であったけれど、うちが目指すところはそこではない。そんなに広い家は必要ないのだ。今住んでいる家ではもともと親兄弟が6人家族で悠々と過ごしていた。それが今では家族が3人になり部屋は4部屋があまっていて、2部屋は倉庫状態になっている。
それが、去年まで作ろうとしていた家は今の家よりさらに広くなる予定になってた。
冷静に考えて、そこまで大きな家が必要だろうか?今の家の天井高は一番高い部屋で2550mm、新しい家では2700mmを想定していた。
部屋数は減ったもののリビングや客間としての和室、そしてオーディオルームがかなりの面積を占めていて…そこに生活に必要な機能や場所を付け足していくと…
そうして大きなオーディオルームを主体に二世帯住宅のような総二階の家ができてしまった。予算的に厳しいのではないかという切り口からこの図面は却下となったけれど、いや途中で気がついて良かった。とにかく大きすぎるし無駄が多すぎる。今後、経済状況は悪くなるだろうし、10年20年と経てば家族も減るだろうと思う。
なにより無理矢理大きくして、洗面台だったりキッチンだったりが安っぽくなってしまうのはやはり問題だ。

新しい計画では直方体の家ではなく、L字型の中庭があるような家を提案された。
リビングや和室から庭が見えて、お互いの気配が何となく感じられる良い設計だと思う。大きな家にちょこんとベランダみたいにくっついた坪庭よりもずっと趣のある庭になりそうだ。
家が小さくなったけれど、オーディオルームの大きさがほぼそのままらしいのでかなり一点豪華主義っぽい家になりそうだ。

詳細な図面は来週までに仕上げてくるとのことだったのでそれからは、土地の話と計画の流れをじっくりと話会った。
45cmまで低くなった土地の5cm以上のガラ取りを行い、土留めの補強をして、土地の転圧をかけることなど結構専門的な話が多い。
玄関道路からまでは駐車場の勾配も含めて1段15cmの4段。カーポートは2台分など着々と決まっていく。
となりの土地との境界をかねた土留めももう完成してて、お隣の家の建設作業が着々と進んでいた。

売った土地のはハウスメーカーが建売し、手前と奥に小さな家が2軒出来るという。
前後に家が来るので、我が家側か駐車場側に奥の家へ行く通路が出来るのだけど、やはり我が家側に通路が来た。これは非常にありがたい。空間が空くだけで防音性能を下げられるし日光も風通しも良くなる。

今週の半ばに現場へ行くともう基礎が完成していた。

もっと歪なで小さな土地が沢山ある東京で小さく安い家を建てまくっているハウスメーカーらしい。
奥の家では家の駐車場ていどの土地に家を建ててて居るのだから、自分が今どれだけ贅沢な家を作ろうとしているのか実感した。
しかしながらこのハウスメーカーコストカットをやり過ぎているのか検索してみると結構な苦情というのか買ってしまった人の悲鳴が聞こえてきた。
年末に土間コンクリートが打たれ鉄筋と型枠が組まれていたのだけど恐ろしいことに、剥離剤の塗り方が雑で鉄筋にもろに付いているし、スペーサーが役割を果たしていないところがあったり、酷いどころでは鉄筋の固定がかなり雑で、これそもそもの鉄筋が足りていない部分も見られた。
通常、基礎の鉄筋を組んだ後には第三者による検査を行うのが通例らしいのだけどどうもこの会社その段取りをすっ飛ばしているようだ。
他人が住む家だからどんなに雑に作られても問題ないのだけどこちらに傾いてきそうだ。

後々揉めたりしないようにと配慮したのか、境界線の土留めをこちらの折半で作ろうと持ちかけると、1cm内側に自社で作ると勝手に作ってくれた。
1cm分土地が儲かったと笑っていたのもつかの間…
家の土地を見ると、明らかにあちらから飛んできたであろう鉄筋だったりコンクリート屑やなにかしらのゴミがこちらへ飛んできている。…

1m以上ある鉄筋が落ちていた。明らかにこの大きさのゴミは事前に解体業者が撤去しているはずだ。

左に盛ってあるのは捨てるはずだった土。これを家の土地へ戻した。ここにかなり大量のガラが入っていたようだ

しかしながら、建っていた家の左手側つまりは売った土地はタイル張りのキッチンや全面大理石の床だったりでその破片が圧倒的に多かった。
それも65cmあった盛り土を30cm以上捨てたのだから一緒に処分されたのだと思う。その一部は家の土地に戻ってきている。

プロジェクトを動かすというのは本当に難しい上に体力が要る。
完成するのが先かこちらが倒れるのが先か。
PIEGAの巨大な柱みたいなスピーカーで小さくBGMにしながら話し合いは進んでいく。
いやこのA試聴室、TIDALのアゴリアSEとVividAudioのG1GIYA、フォーカルのでかい奴wそしてパゴデの大型ラックが二機とそこに大人6人が居るととても狭く感じる。
これでも天井高2700mmでX畳あるんですけどねと社長。

部屋が広いと勝手に物が集まってくると言うのか、空白があると人は埋めようと勝手に働くようで、巨大なオーディオルームに住むマニアの多くがスピーカーやらコレクションを沢山部屋に詰めている光景をよく見る。
結局の所、部屋を庶民の力でいくら大きくしようともクソデカスピーカーの圧力には耐えられないようなのである。
ちょうどうちと平行してやっている方の家もまたうちとおなじような家族構成で2Fにどでーんとオーディオルームを構えるという。スピーカーはPIEGAのML2を入れるのだと言うから驚きだ。

しかしPIEGAの迫力は朱鷺メッセの会議室で見たときはまるで違う表情をしていた。デカイ。!!!

つづく。

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