4回目の参加となったForMusic新製品発表会
写真や動画の処理、レポートも無事処理して静かなGWを過ごしております。

この1年色々ありすぎました。それも踏まえて記録しておこうと思います。

今年のイベントは参加しない方がいい?

毎年、秋アニメの1話チェックが終わり頃から
東京インターナショナルオーディオショウのレポートをしらみつぶしに見たり
雑誌でネットの記事で新製品の下調べをしたり
同時に面白そうな音源を血眼になって探していた。

ただ今年のイベント参加は今までと違っていて
去年の秋頃は耳の調子がかなりおかしかったし
その数ヶ月前から身の回りでいろいろな不祥事が起きていて
もう11月頃からイベントへの参加はしない方向で話を進めていたと思う。

そもそもオーディオという趣味から数ヶ月間少し離れていたと思う。
年明け、耳の調子がやや安定してきてプリアンプの買い換えを検討したりいたのだけど
冬も終わり春にさしかかる頃3月4月と天候が荒れに荒れ
ForMusicへ遊びに行く余裕もなく2,3回入院するか検討しつつやっとやっと生活していた。
F社とコンタクトを取らないものだから2016年には1月に開催されていたイベントが
今年は2月になっても3月になっても音沙汰がなく、今年はもしかしたらやらないかも知れない。
もしやらないのだとすると、準備が無駄になることももなく、何もなく今年が過ぎ去るんだろうと、すこしラッキーだったかもしれないと思った。

体調は谷底に落ちているような4月の下旬、
突然例の封筒が来る。案内状だ。\GWにやるんかーい!/

案内状にざくっと目を通し、準備もしていないし今年は行かないんだと心に言い聞かせて
いやでも写真をちょろっと撮って帰ってくるのも悪くないかなとも考えつつ……

というのも、あのイベントへ1日参加するための準備というのが
ソフトや機材の準備、参加した後の動画編集や写真現像、記事の作成以外に
体調管理という非常に大変な調整がいる。

約半年程度かけて体重に余裕を持たせる必要がある。
実のところ、あの1日で2ヶ月分の増やした体重が減ってしまう。
まるでエベレストの山頂アタックのような気分だ。

困ったことに体調が優れない上に、
身の上のの不幸は去年の夏以上に深刻さを増していた。

ちょうどRossiniを導入していた頃
400万近い買い物をしたというのに、オーディオを買い換えた歓びというのが
導入して数日で終わるという理解しがたい状況に落ちていた。
オーディオの入れ替えやブログ記事を作成するのは好きなのでそこまでは
テンション上げ上げであったのだが…
お金を浪費してしまったとかそういう次元のはなしではなく
聴きたい音楽もないし、何をしても気が塞いだ。
かといってオーディオ以外に買いたいものもないときた。

もう完全にオーディオから手を引いた方が良いのでは。

転機

某4月22日のこと、駅前に用事があってビックカメラに寄ると偶然SONYの展示会をやっていて
ポタフェスに展示してあったらしい黄金のウォークマンとZ1R
そして、SONYの技術さんが来ていた。
馴染みの店員さんも一緒にいて削りだし前の銅の塊を持ったりして30分ほどSONYの人と立ち話をしていた
SONYのカッコイイ黒いクリアファイルを貰って自宅へ帰った。
本当にちょっとしたフェアだったのだけど家に着くとなんだかいつもと様子が違う。
真っ暗な世界に光が入ってきたようだった。

やはり自分はオーディオをやっているべきなのではないか?
この道に活路を見いだした。

今年、イベントに参加しないと決めてしまったから
張り合いなくだらだらと食べ日常を生活していたし
日常で良い音楽にであっても
新しいオーディオを見てもぐっとくるなにかもなく

自ら面倒な行事を避けて落ち着いて暮らすんだというつもりが
誰のためでもなく海底の泥のような生活になっていた。

ここ数年、このイベントがあったお陰で
身の回りのノイズも感じずに自然に精進できていたことに気づいた。
ただ体力をする減らして遊んでいるようで
実のところすべて自分のためになっていたようなのだ。

これ以上体調を崩さないようにまわりに迷惑を掛けないように
自重していたイベント参加への方向を切り替えた。

参加することに意味がある

ただ、参加しようと思って用意を始めるも準備期間は1週間だ。
これまで半年掛けてやっていたことを1週間でやらないと行けない。
それでも4回目なので機材は揃っているし会場の雰囲気も大方つかんでいる。

とりあえず、会場に行くだけでもいいやと軽い気持ちで
バッテリーを充電してSDカードを確認して…ささっと準備を進めた。

持っていくCDは最近よく聴いている曲と
これまでリファレンス曲として聴いてきたディスクをざっくり集めた。
枚数でいうと例年のほぼ半分の量であるが体力も無いし十分だろう。

その翌朝、ついに訃報が入る。末期癌だった。
ああやはり今年は駄目だ。そのとき本当にいろいろ終わったと思った。
あってないような葬儀が粛々と営まれた。

しかし、母が言うのである。「あなたは必ずオーディオイベントへ行きなさい」と。
これまで色々ありすぎたかみ切れない思いもすべて払い捨てて
朱鷺メッセへ向かうことにした。

どうにもこうにもオーディオどころではないのだが
涙を噛みしめてCDをチェックして鞄に詰めた。
もうなんのために行くのか、本当に行ける状態のか
なにも分からないままただただ作業を進めた。

4月29日。朱鷺メッセが拒むように荒れた天気の中会場入りした。
実のところ会場に着いた時点でもう体力はほぼ限界だった。
それでも例年通り楽しめるだけ楽しむやるだけやったと思う。

帰って写真を確認するとブレブレでまともな写真がえらく少ないし
何を聴いていたのかも分からないくらいに疲れていた。

会場の雰囲気はいつも通り、いつもの人たちがいて
ちょうど土曜日の終盤は人がかなり捌けて自由に色々聞けたし
avcatの人とも偶然会えた。

今回参加してみて、マジコとGIYAでときめきポポロン聞き比べできちゃんと動画にも出来た。アレはかなり貴重な動画になったのではないかと思う。
かなり一生懸命に聴いたが座っているので結構精一杯だった
あの状態でのベストは尽くせたと思う。

なにより、オーディオの人たちは相変わらず
サービス精神旺盛で、オーディオショウとして楽しんで貰いたいという気持ちが強く伝わってきた。
あんなに心身共にが辛かったのに、代理店の人やForMusicのIさんと話しているとすべてが開放されたように歓びに満ち満ちたようで時間を忘れてオーディオショウを楽しんだ。

どうしようも無い何かと戦うよりも
そんなの放ってしまって自分の人生を生きようそう思った試聴会であった。

たかだか、オーディオイベントであるがただ参加することに意味がある。

どうやら自分はオーディオをやっているしか生きる道は無いようだ。
前向きに実直にそう感じさせた。

 

あとがき

参加した後はやはり体力的にかなりきつかった。
翌朝は肩の激痛で寝られなかったし呼吸は苦しいし
なによりここ1週間ほとんど食べていないのでふらふらにも程がある。
寝ていても起きていても辛いので淡々と動画編集をしつつ
キーボードを叩いて作業する屍のように過ごした。

それでも心はなんだかずっと軽く希望が見えてきたようでやはり参加して良かったと思う。
4日後、5月2日にちょうど整体を予約していたのだけど
そこで整体の先生に、
「君、ここ1ヶ月で一番重傷患者だね。見た目は若いのに身体に触れると60代みたいだ。」
壊れるくらいに揉まれた。いままで一番痛かった施術だったかもしれない。

あとは明日5月5日を終えれば今年はもう何も思い残すことはないだろう。

あちらの本家ブログへ続く