専門雑誌、アニソンオーディオも今年で3回目。
vol.3は1、2よりも遅い3月下旬の発売になりました。
あまりに遅いものでPure3の如く自然消滅してしまうのではないかと不安になりつつも
初号、次号よりも読者のニーズに近い内容になったようです。
とは言っても届いてからもう1ヶ月近くが経とうとしているのであまり新鮮みはありません。
続きから写真と一緒にざっくりと内容のおさらい
そんなわけでアニソンオーディオvol.3の雑感
付録のダウンロード音源、不安定な神様DSDバージョン
そして朝焼けのスターマインのレビューを簡単に書き残しておきたいと思います。
雑誌と言えば表紙です。ステサンならばその時最も輝いていたオーディオが表紙になっていますが
アニソンオーディオ誌では旬なオーディオと女の子のイラストです。
萌えるヘッドホン読本の頃から考えると絵のレベルもずいぶんと上がったなと感じさせられます。
2ではポータブルオーディオ誌か登場しませんでしたが3では初号と同じような構成の
小さなスピーカーシステムとヘッドホンという組み合わせです。
これだけ見ても内容がvol.2とは方向性がまた変わったのかなと思わされます。
始めに本誌の目玉である、アニソンハイレゾの付録、4方の解説とインタビュー記事があります。
不安定な神様の制作現場。見れば見るほど凄まじい。
アニソンオーディオ特有のアーティストへのインタビュー記事。
今回は梶浦由記と光田康典です。
気になったのは梶浦由記の、制作環境の話。
時代に沿ってラジカセで最終チェックしているようなことが書いてありました。
いとうかなこ、佐々木恵梨の二人がハーマンインターナショナルの試聴室にてシュタインズゲートを語り、聴く
ハイレゾ音源とCD音質を聞き比べ。
オーディオと言うよりはハイレゾとアルバムの宣伝的な記事です。
聞き所や聴いての感想がすこし物足りないかなと。
個人的には最もアツイ「この曲どう聞く?」のコーナー。
今回ハイレゾ付録にてeonkyoとコラボしただけあって、ONKYO製品が沢山登場しました。
このあたりは大人の事情かなと。
ただ曲の解説とプロのインプレが参考になる。選曲も割と最近の曲からやや古めの曲まであってよろし。
オススメスピーカーシステムがどうにも10万円程度に収まってしまうのは致し方ないかなと。
リファレンスアニソンのコーナーと優秀録音コーナー。
岩井氏と高橋敦氏のリファレンスは見ていてなるほどなと思うようなところがありますが、
野村ケンジ氏に関しては自分のカラーを持っておらずとりあえず仕事で関わったハイレゾを上げているだけだなという印象。
優秀録音のコーナーはなぜだかみみっちく取り上げられているけれど
本誌の三本柱の一つにおいて欲しいところ。
なんとなくレビュアーの本気と本音が見え隠れするようなコーナー。
vol3にて加わった新コーナー。
アニメ視聴にオススメのシステムを提案してくれています。
DENONのPMA50とそれに合わせたかなり現実的な値段のスピーカーが紹介されています。
作品とアンプ、スピーカー共々宣伝になる良い企画。
ちょくちょくアニメ作品でもSEがでかすぎるセリフが聞こえないなんてクレームがあがることがあるけれど
今後、そういった要望にも応えていけたら良いんじゃ無いかなと。
ただ機材だけではなく色々と物足りなさがある。
一番はテレビとスピーカーのセッティング等のテクニック的なことが欲しいなと。
もう一つ意外だった、アナログコーナー。
アニソンといえどもアトムの時代からみたらアナログ盤は結構あって
最近の流行も手伝いアニソン界でもいくつかの新譜が12inchアナログで発売されている。
ただ限定生産であったりすこし古かったりして手に入れるのはなかなか大変そうだ。
レコードの扱い方を紹介した後に
5万円あたりのターンテーブルがオススメされていた。
アナログ関係は真空管も含めて店頭でさっと触れたことしかない身としては
本誌全体に機材の価格帯が低すぎるとはどうにも言いづらい。
DENONの試聴質でここさけのアナログをクラムボンのミトが試聴。
このミト氏のインタビュー、本誌の中でもこのアニソンオーディオ3冊のなかでもずば抜けてピュアオーディオらしいマニアックな記事。
オーディオマニア自体が少ない上にアニメ業界に存在するオーディオマニアという稀少な存在。
今後も新譜が発売されたらでいいのでちょくちょく登場して頂きたいなと。
機材のレベルも申し分ないし、聞き手の知識もインタビューとしておもしろい。
なにより、アニソンでもアナログをやってみたいと思わせられたのが大きい。
次のページにはアキュフェーズのE370が登場するのだけど
どうにもアニソンオーディオ誌でやる意味、個性が感じられない。
アニソンで聴かなくてもステサンで事足りそうな感じのさっぱりとしたレビュー。
できることならプリメインの中級機をDENONLUXMANアキュエソと借りて比較するくらいやれたらおもしろいと思う。
にしたって、アキュフェーズさん良く貸してくれたという印象。
LUXMANではDA250の特集。
ただこれは主にヘッドホンアンプとしてのレビュー。
サーモスの小型スピーカー、ディナのアクティブスピーカーと続いて
本誌で最も高額となるピアガCOAX10.2と30.2が登場。
試聴環境は、上流はLUXMAN DA06にアンプをアキュフェーズのセパレート「C-3850とA70」
オーディオ雑誌と言うからにはこのくらいのシステムがとりあえずの基準になっていて欲しいなと。
最後のミニコーナー。
抱き枕やタペストリーやフィギュアなどステサンやAA誌ではまず出てこないようなユーモアが感じられる。もっともアニソンオーディオらしくもっと掘り下げられる内容かなと。
このアニソンオーディオと言う雑誌まだ発展途上で誰が見ても物足りなく薄い
それでも手探りではあるけれど、なにか見えてきたような気がするし
可能性はまだ十分にある気がする。
痛部屋であったり、オーディオユニオンのアニソン部や
新しい音楽アニメとのコラボだったり
今期アニメの曲レビューであったり…やれることはまだ山のようにあると思う。
オーディオ機材もそうだけれど、試聴曲にしたってオススメリファレンス曲にしたってもっと多種多様に取り扱ってほしいし
メーカーやゲストに配慮したために偏った選曲が成されていたように思う。
アニソン界のアーティストへのインタビューはこの雑誌ならではの良い部分ではあるけれど諸刃の剣となっている感じがある。
また評論家、ライター自体の参加人数も少なく物足りなさを助長させているようである。
ステサンのような夢のあるハイエンドをもっと扱って欲しいというのが正直なところではあるけれど
実のところハイエンドでアニソンが聴ける環境と、人や曲自体もまだ
ハイエンドオーディオ慣れしていないと思う。いやまだ会ってもいないような気がする。
もちろん一部のマニアにとっては昔からやっていた普通のことかも知れないけれど
レビューがかける人、自信を持ってアニソンをちゃんと鳴らせる人が未だに居ないように感じる。
なにより現状のヘッドホンとイヤホンユーザーとのバランスが大変に難しい。
イヤホンで気軽にオーディオをやっている層をどうやって獲得するかが大きな課題であると思うけれど、
今回の響けユーフォニアムと四月は君の嘘の試聴環境を考える企画は
手軽にきっかけを与えるという意味では大変に意義のあるおもしろいコーナーであったと思う。
アニソン専門のオーディオ評論家が現れるのか
オーディオ業界の衰退が末期へ向かうのか
アニメ業界が一度崩壊するのか
何が先かは分からないけれど、この雑誌が希望になって欲しい。
少し長くなってしまったので音源のレビューはまた次の記事で。
アニソンオーディオvol.3レビュー おわり。