9月17日で、私が開設したC+Zブログから16年が経ちます。2019年からはYoutubeでの動画投稿を本格的に始め、既に4年が経過しました。ブログもYoutubeも基本的には趣味の一環として始めたものですが、人間というものは何事も成果を出したくなるものです。ブログを運営していく中で、PCからスマホへとネット環境が変わり、ブログがメインコンテンツだったインターネットがSNS主流になり、多くの人々が、Googleの検索エンジンからSNSやX(旧Twitter)を使って情報を調べるようになるなど、インターネットの環境は大きく変化しています。
Youtubeだけを見ても、企業から個人Youtuberへ、長尺の動画から縦画面のShorts動画へと変化し、PCからスマホへとネットの窓が移り変わり、視聴者層もPCオタクから一般の人々へと広がっています。
かつてインターネットは特定の人々だけが利用する特別な場所でしたが、今では世界中の様々な人々が利用するインフラとなりました。しかし、その結果として自由度が高いネットの世界では現実世界以上の競争や問題が発生しています。無尽蔵に広がるインターネットの世界には環境破壊的な要素も存在し、誰でも自由に利用できる場所である一方で、現実世界とは異なる力関係や権力闘争が生じています。特別だった場所が現実世界以上に混沌とした空間へと変わってしまったと感じています。これは誰かが悪いわけではなく、多くの人々が利用することで誰もがコントロールできなくなった結果です。情報は誰でもいつでも発信でき、その量は処理能力を超えて増え続けます。これはまるで大量の野良猫を引き取った家のような状況だと思います。
現在のインターネットは誰もがコントロールできないほど混沌とし、常に嵐が吹き荒れているような状況です。

情報の氾濫と規模の拡大により、コントロールが難しくなっているインターネット社会、そして、その中で私のブログとYoutubeチャンネルの現状についても触れていきたいと思います。結論から申し上げますと、個人の力だけではもはや対応しきれない状況にあると感じています。ブログは読者が減少し、検索エンジンからも見つけにくくなっています。Googleに好意的に評価されるようなブログ運営を行うと、本来書きたい内容が書けなくなってしまいます。これはYoutubeでも同様で、Googleが推奨するような動画だけを投稿し続けなければ、安定した再生数を維持することは難しいです。
現在、私のYoutubeチャンネルは登録者数7900人、総再生数280万回程度です。動画投稿を始めて4年経ちますが、チャンネル運営で致命的だったのは、チャンネルテーマの統一ができていなかったことです。最初はフラリッシュとマジックの動画から始まりましたが、現在ではハイエンドオーディオ、住宅、ASMRという3つ4つの異なるジャンルの動画が混在しています。これは非常に問題です。小規模チャンネルはテーマを一つに絞るべきです。
私のチャンネルで最も視聴されている動画はASMR動画ですが、この動画が中国のビリビリ動画に無断転載されました。転載先のビリビリチャンネルはASMR専門で、その動画はわずか3週間で私が3年かけて積み上げた再生数をさくっと超えました。Youtubeでは新しいチャンネルの動画を見るとそのチャンネルの関連動画が表示されます。私のチャンネルではASMRを見た人にオーディオ動画やガジェット紹介動画が表示され、クリック率が低下します。また、ASMRを気に入って登録した人が新しいオーディオ動画を見て登録解除するようなことが起きます。
最初からASMR動画だけを投稿していたら既に登録者数3万人を超えていたかもしれません。また、家の建築動画から始めてオーディオ紹介やレビューを続けていれば、1年で1万人を超えていたかもしれません。Youtubeチャンネルでは登録者数1千人が一つの目標ですが、次のステップは1万人です。1万人以上の登録者数は、動画作りの基礎ができており、一定のコンテンツ力があると認知されます。
しかし、それ以上に問題なのは投稿頻度が低すぎることです。16年間ひきこもり生活を送りながらブログやYoutubeの動画作りをしてきました。ブログではテキストコンテンツだけだったためそこそこ対応できていましたが、動画コンテンツではフィジカル的なパワー不足が顕著です。しかし、現在ブログで戦おうとしても動画以上に苦戦すると思います。月に3,4回の投稿ではYoutubeという巨大プラットフォームで戦うのは難しいです。芸能人から職業カメラマン、店舗、子供までが動画投稿を始めた現在のYoutubeでは、個人の力だけでは成功することはほぼ不可能です。以前は宝くじを買うような気持ちで動画がバズらないかと思い投稿していましたが、これは現実の宝くじと同じで、高額当選は夢のままで、当たるのはせいぜい300円程度です。運が良くても4等の3000円程度だと思います。

古来、根暗やオタクの居場所だったネット、あらゆる人種を受け入れてきた現在のネットでは、逆に、オタクや根暗のポジションは完全に失われていると感じます。そうして、障碍者が入れ込むスキマ”居場所”はもはやないと感じます。何よりこの頃ネットの世界はえらく殺気立っていて些細なことで石が飛んできます。つまり炎上と小競り合いです。これはもう環境以上の多すぎる人とコンテンツの濁流のなかではどうすることもできません。この頃のネットは本当に無駄な争いが増えていると感じます。コンテンツを楽しむことよりも叩くことの方が簡単で誰でもできるので、誰でも参加できるネットのメインコンテンツは他人のコンテンツや発言を叩くことがメインになっていると思います。
そして逆に、普通の弱い個人がネットでバズる方法はもはや、”その炎上”しか残されていないような状況です。ちまちまと小さなコンテンツを作っても誰の目にもとまらずただただネットの濁流に流されていきます。無理に炎上させてネットでの知名度を高めるようなやり方は賢明とは言えませんが、現状で簡単にバズる方法は、それしかない状況です。そうして、炎上によって有名になってさらなるコンテンツの成長のためにまた炎上させるといった焼き畑農業的な運営を目にします。炎上したくてやっているひとよりも気質的にADHDやASDなどの社会不適合者がうっかり発言して小さな炎上を繰り返し人気になるパターンも少なくないと思います。
結局ネットの環境であろうとも、現実世界と同じく”ひきこもっていないといけない”ような状況下にあると思います。社会不適合者を多少は受け入れていた古来のネット、穏やかで優しい世界はどこにもなくなっていて、そういう場所はかなり閉鎖された場所です。人気のYoutube動画なんかにコメントするとそれだけでも、変な人に絡まれるなんてことがよくあります。自分で動画を上げ始めたらなおのこと変な人や、現実世界では見られないような粗雑な意見を目にするのです。

解決策として提案したいのは、自分のペースを保つことと、不必要な接触を減らすことです。そのためには、数字を追わないことが重要です。現代人はSNSに心が支配され、”いいね”が欲しい、フォロワーが欲しい、多くの人からコメントが欲しいと思ってしまいます。そうした感情がコンテンツや発言の過激さ過剰さにつながります。つまり、最低限の人とだけ関わり、自分が本当にやりたいことだけを行い、他人からの評価や対価は必要ないと考えることです。
現状、このブログはGoogleから評価されておらず、アクセスがありません。また、SNSで記事を発信していないため集客も難しいです。しかし、その代わりに自由に好きなことを書くことができます。ミスを犯しても執拗に絡む人が来ることはありません。
インターネットの世界もまた、都会生活から田舎でのスローライフが求められる段階に来ていると思います。慌ただしいメインストリームから少し外れて、自分のペースで自己完結的なコンテンツ作りを行うこと。それはまるで隠居生活を送りながら陶芸や絵画などの創作活動に励むような感じです。個人としては、「小さく」「地味に」「しょぼく」活動することが良いと思います。