オーディオをやっていたらフォーミュージックというお店と出会う

 いつの間にかオーディオ中毒になっていた私は、当たり前のように100万200万円のオーディオを買ってしまっていました。
 802Diaを導入他あたりからなにか箍が外れたようにオーディオをアップグレードし始めます。
 その一つとして、DENONのSACDプレイヤーではちょっとパワー不足でセパレート機に憧れていた私は、ESOTERICのプレイヤーに目を向け始めます。
 しかしESOTERICのセパレートプレイヤーはとても高価で新品ではとても手が届きませんでした。
 その時、出会ったのが新潟のオーディオショップであるフォーミュージックです。このお店は以前に一度ちょっとお邪魔して怖々と帰った思い出がありましたが意を決して、中古のESOTERICを買いたい!とメールを送ります。
 メールのやり取りだけで買うはずだったその時、中古を買う意思を示すと、お店へ一度来て製品を見てください、セッティングして待ってます、とお誘いいただきます。目を泳がせながら震えを抑えつつお店へ向かうとまっていたのは、あのIさんでした。私を見てやや驚いた様子をしながらも和やかに店を案内してエソテリックのプレイヤーについて説明してくれました。
 その場で契約を交わし、数日後にIさんによってインストールされました。

それが、ESOTERICのSACDトランスポート&D/Aコンバーター「P-03+D-03」です。

本物のオーディオ!?という衝撃的な出来事

 ここで驚いたことが二つ、疑問に感じたことが一つありました。

驚いたことの一つは、オーディオショップが想定している音のでかさです。
Iさんが来てさっさとセッティング済ませ、チェックディスクとして取り出したのはあの鬼太鼓座のSHM-SACDでした。とんでもない爆音で和太鼓が鳴る802Diaを目の前に揺れる部屋と、自信に満ちあふれたIさんの顔をみて二度驚きます。
 「うん、この部屋の802いい音で鳴ってるね」とIさんに言われたことは忘れられません。

腕組みをしてスピーカーの出音を確認するIさん


M600Aのイルミネーションメーターが見たことない高さまで上がってくる

 驚いたことのもう一つは、この部屋でもこんなにすごい音が出せるんだということです。それまでは怖々と小さく音楽を楽しんでいました。こんなに凄まじい迫力のある音そして、オーディオは自分が思っているよりも、さらに色々な世界があるのだと感じました。何よりこのESOTERICのP-03 D-03のSACD再生は自分の手の届く範囲ではとにかく最高に音が良かったです。

 これが、あのフォーミュージックとのおつきあいの始まりであり全てのきっかけです。
 それから、いくつかオーディオを売り買いしたり、オーディオイベントだったりに参加させて貰ったりと充実したオーディオライフを送っていました。

 しかし一つ疑問が湧いてきました。
「私は今一体何を目指しているのだろう?」
「オーディオをやり始めたきっかけとは何だっただろうか?」
頭にもやっとしたものを抱えつつも新しいオーディオとの出会いの感動にそんあことは深く考えずただSACDがもっと欲しいとかもっと良いオーディオが欲しいなどと思うのでした。

 オーディオショップとの出会いで、もっといい音がある、面白い製品が見てみたい、オーディオ趣味とはなんだろう?そんな好奇心がただの引きこもりだった私を大きく変えていきます。

 新潟オーディオショウでアニソンオーディオと題して意欲的に活動してみたり
さらにオーディオ趣味について、オーディオ業界について深く考えるようになりました。

  今考えると、フォーミュージックにとっても、私にとってもお互いに異質だったそれぞれの存在は、ただの顧客やただの小さなお店とは、なにか違っていたような気がします。
 フォーミュージックは地方の小さなお店であり、お客さんとの距離がとても近く若い私にもとてもフレンドリーで親切に接してくれました。またスタッフのIさんも経営理念に沿って、良い物と悪い物の判別だったり、欠点だったり特徴だったりを隠さずに詳しくはっきりと教えてくれました。
 そうしているうちに、オーディオ知識が増えるだけでなく安心してハイエンドオーディオという高い買い物ができました。

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