三寒四温、3日寝て1日活動する。どうもみかさです。
家の設計もいよいよ大詰め。見積もりがあともう少しかかると言うことで、骨格や屋根、外壁の素材などさまざまなパーツがおおよそ決まっていきます。
予算の都合上かなり現実的な設備や内装にすこしビクつき…ショールームへ行くとどうしても上位モデルばかりが目に入ってきて、設計に入ると現実に引き戻されるそんなことを何度か繰り返しながら先週辺りからフローリングについて考えていました。

今回作るオーディオルームについては、徹底的にコストを抑えるため部屋にオーディオ的な構造や機能を最小限にしてくれと言うオーダーを出しています。また、基本的にオーディオルームの設計は王道が決まっているため素人が下手に要望を出すよりある程度はプロに任せた方が音質的にもコスト的にも良い結果が出るということを事前にきいていました。
そんなわけで、基本的には最低限の防音と天井高を高く部屋を広くしてエアボーリュームをかせぐことでいい音を目指し、微調整はルームチューニングや最悪トリノフなどで行うという計画です。
そうなってくると、部屋の仕様を弄る部分というのはかなり限られてきます。床の補強、防音や吸音方法だったりは基本が決まっておりそれ通りに作れば9割方うまくいくとのことでこちらがやる作業としては出来た図面を確認するだけです。
オーディオルームという名のシンプルな箱をつくるようなイメージで自分のリスニングルームは設計されています。

変なことはしたくないしコストも余りかけたくはない状態で、音質的にも重要なパーツと言えばフローリングなわけです。
オーディオ機材を突きつけたハイエンダーはいいます。「オーディオはほとんど床の音を聴いているようなものだ。」もちろん天井や壁からも間接音が来るわけですが、スピーカーを置く台であり、ある意味音を反射させるオーディオボードでチューニング材である床は結構敏感であるらしくこだわるべきポイントだというのです。
また床材は一般的に多種多様な無垢材が販売されており、塗装の有無やオイルフィニッシュの違いなど拘れる部分は大いにあるようです。
加えて、コンサートホールからオーディオラック、インシュレーターにいたるまで、どこにどのような木材を使うかで音は大きく変わります。
代表的な例では、ソナスファベールのミニマビンテージやアマトールなどのスピーカーはウォルナットの寄木で作られていましたし、サントリーホールの床はオーク材です。

さて実際に自分のオーディオルームに使う木は何が良いか考える訳ですが、まず条件をいくつか挙げてみましょう。
・床暖房対応
・きつい匂いがしない
・程よく明るい色合い
・節がクッキリと目立たない
・木に良い響きを持っている
・オイルフィニッシュ

ネットでフローリングを検索すると大量の専門業者が出てきます。特に無垢のフローリングを取り扱っている業者はかなり多いです。
ある程度大手っぽい業者に絞ってフローリングを見ていくわけですが、木の種類だけではなく、塗装や板の巾、厚み、グレードなど同じ木材でも様々な種類があり、考えてもキリがないです。
加えて、無垢フローリングをどれにすればオーディオ的に音が良いのかも見ただけでは見当が付きません。施工してスピーカーから音を出してみないことにはそのフローリングが良いのか悪いのか分かりません。
オーディオのえらい人曰く、音の出ないオーディオ機材、ラックやボード、インシュレーターなどは叩いた音がその木の音だと言うのです。
以前から、自分もスピーカーのエンクロージャーやオーディオラックなど興味があるモノはとりあえず拳でコンコンと叩く癖がありました。
GIYAを買う前にもそのつるっとした曲面を叩いています。

フローリングのカットサンプルを業者から取り寄せてひたすら臭いを確認して叩く作業が始まりました。
とりあえず取り寄せてみたサンプル5つを例にメモを残しておこうと思います。

無垢 フローリング

・マホガニー  無塗装 巾120mm 厚さ15mm 7,640円/平米

比重:0.66
3大高級木材の一つ、高級家具、ハンドル、楽器ではギターやドラムなどに使用される。
現在はワシントン条約により伐採や輸入が規制されている木材。
今回入手したマホガニーフローリングはインドネシア産。
色はやや赤みがかった褐色。
匂いは薄くよく感じる木の香り。肌触りは木の質感を感じつつも滑らか。
叩いた感じでは、少し籠もったような柔らかい音。

・ミャンマーチーク オイル塗装 巾120mm 厚さ15mm 19,634円/平米

比重:0.57~0.69
世界三大名木の一つ、ミャンマー産チーク。
その優れた特性と耐久性から古くから船室やフローリングなどで重宝される。
色はすこし明るめのブラウン。木目が美しい。
匂いは薄くやや酸味がかった印象。肌触りは滑らかで無塗装でもやさしい。
叩いた感じでは非常にニュートラルな印象を受けるやや乾いた音。響きは良く尖った音はしない。

・国産 山桜 無塗装 巾120mm 厚さ15mm 12,340円/平米

比重:0.60
硬めの木材、耐水性が高く虫に対する保存性も高い。高級木材。
木管楽器、ピアノ、オルガン、仏壇などで使われる。
色は、淡いピンクや淡い黄色。木目は磨くと美しい。肌割りは非常に滑らかで暖かい印象
匂いはわずかに甘い香りで低刺激。
叩いた感じでは、マホガニーよりもまろやかでふんわりとした音。全体的に柔らかさを感じる。やんわりと響いてくれそう。

・メルバウ 無塗装  巾150mm 厚さ15mm 8,590円/平米

比重:0.78~0.90
別名、太平洋鉄木というわれるほど硬く重い木。
ヨーロッパでは安く丈夫ということで人気のフローリングで、昔から家具屋床、柱や枕木などに使われる。
木目は粗く、導管のなかに石灰が入る。ツルツルしている中に溝があるかんじで好みは分かれそう。
匂いはかなり控えめ。
叩いた感じでは、手が痛くなる硬さ。一枚の石のようなコンコンと透き通った響き。鉄木と言われるだけあり非常にブレのない綺麗な音。
オーディオルームでは傷も付きづらく機材も安定して載せられそう。安いのも魅力の一つ。
ただ響きが強すぎる感じもある。要所に使いたい感じがする。

・ローズウッド 無塗装  巾120mm 厚さ15mm 11,900円/平米

比重:0.75~0.85
三大名木の一つ。古くからの高級木材。とても硬く入手は困難。
最高級家具、楽器、化粧板などに使用。
木目は暗く重厚な印象。ワックスを掛けると高級感が増す様子。
匂いは独特の甘いようなバラのような香りで癖がある。うちでは仏間で良く嗅ぐ匂い。
叩いた感じでは、ニュートラルでありつつも独特の甘さを感じる。響きが良く芯のある程よい硬さ
音的には全体に使いたい感じがするけれど、部屋が暗い印象になるのと匂いがややきつい気がする。


とりあえず5種類お試しでサンプルを手に取った感じでは、
オーディオ機材が乗る床暖房が入らない箇所にローズかチークまたはメルバウを入れて
残りの部屋全体には、ヤマザクラやハードメープル、カバザクラなどを入れたい感じ。ネットで見た山桜のオーディオルームがとても美麗で暖かみのある爽やかな部屋だったのですこし憧れる。
ただ、無垢材の中では高温の床暖房対応品があまりに少なく最終的にはMDFやベニアに1~2mmの薄く削った木を貼った挽き板を使うことになりそう。
F社での社長の意見は、ローズが色も音も良い使いたい。またメルバウが安くて音もいいとのこと。昔F社ではチークの床を使っていたらしく懐かしいとも。

F社での様子。社長もコンコンする。

フローリング選びで家造りでいまのことろ一番テンション上がった。
テンション上がったところで動画も撮ってしまった。
家の建築の様子をちまちまYoutubeに上げていければと思う。
それにしても、実物を手にとってお試しするというのはカタログなんかよりずっと楽しく刺激的だ。百聞は一見にしかずとはまさにこのことか。
しかし、オーディオルームのフローリングだけはギリギリまで悩み続けることになりそう。とにかくトータルバランスが重要なのだ。

つづく