第8回新潟オーディオシアターショウ in朱鷺メッセ
公式でのプレゼンが終わり15時から1時間のフリータイムへ突入。
いつもの如く、いくつかのブースは15分程度時間がおしていた。

今回、イベント参加へ向けた準備期間が短く手持ちのCDもこれまでの半分以下の枚数で参加した。
その代わりかなり厳選されたラインナップになっており何をどれでかけてもらうかか
そんなに迷うことなく選曲できた。
短い時間の中かなり濃い時間を過ごすことが出来た自由演奏編レポートです。

■ナスペック

スピーカー:Monitor Audio PL500 II 320万円ペア
プレイヤー:Playback Designs Dream Transport Dream DAC MPD-8セット ※1
プリアンプ:GRUENSCH REFERENCE PHONO STAGE MCS II SE ※2
パワーアンプ:GRUENSCH CSE II ※3
アクセサリー:Isotek EVO3 SUPER TAITAN 180万円 GENESIS 300万円
※123国内価格不明
=800+?+?+?

試聴曲:
1.大石昌良 / パラレルワールド「ようこそジャパリパークへ (弾き語りver.)」

パラレルワールド

パラレルワールド

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大石昌良
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化け物IsotekのSUPER TAITNとGENESISをPL500で体感したいとナスペックブースで大石昌良弾き語りヴァージョンのようこそジャパリパークへをかけて貰う。
プレイヤーはまだナスペックのHPにも載っていないプレイバックデザインのドリームトランスポートとD/Aコンバーターだ。おそらく日本初公開だと思われる。
その前にあるのはこれまたまだお披露目されていないGRUENSCHのプリとパワーアンプだ。
去年は。SIGMASとAQUARIUSの比較試聴をウィンアコースティックのLISTそしてアンプにはダールジールを用いて行ったが、今回はだいぶ様子が違う。
スタンスをやや広めにとられたPL500、フォーミュージックの店頭に去年から展示されておりいつでも聴く機会はあったのだけど、いつ行ってもセッティングされておらず機会に恵まれなかった。おそらく会場にあったPL500は店頭から持ち込んだものと思われる。

CDをかけてもらう。身長とほぼ同じくらいの非常に長細いスピーカーであるけれど
思いの外定位はコンパクトに纏まっている印象を受けた。高すぎず、低すぎず丁度良い高さに音像が表れた。
仮装同軸のユニット配置が効いているようだ。この物量でペア300万円というのだから最近のハイエンドオーディオとしてはかなり破格に感じる。
GIYAと比べると、まだ描き切れていない情報は沢山あるように感じるけれど、上流がチートレベルの強化がなされているシステムだけに、モニターオーディオの限界がちらりと見えた瞬間だったかも知れない。

PL500の試聴は1曲で切り上げた。時計をちらちら見ながら時間がないので次のシステムへ移る。

■太陽インターナショナル

スピーカー:AVALON DIAMOND 580万円
プレイヤー:dCS VIVALDI ONE 777万円
プリアンプ:Jeff Rowland Corus / PSU 333万円
パワーアンプ:Jeff Rowland Model 725 S II 462万円
アクセサリー:VIVALDI クロック 212万円 QRD Diffusor*4 Diffractal*3
=2364


試聴曲:
1.牧野由依 / マキノユイ。「スケッチブックを持ったまま -弾き語り-」

マキノユイ。

マキノユイ。

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2.苺ましまろ キャラクターソングアルバム 「いちごコンプリート」

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本試聴会の一つの目玉商品、dCSの30周年記念モデルのVIVALDI ONE。
そして、聴く機会を再三逃してきたアヴァロン DIAMONDだ。
公式でのプレゼンでは何ともゆるい感じだった太陽インターの担当。
ナスペックと同じ部屋でCD差し出すと手際よく曲がかけられる。

これがあの人も一度買ったAVALONか。
公式での試聴ですでにAVALONの広大な音場に惚れ惚れしたところで持参したディスクを掛けていただくこんな贅沢があるだろうか。

マキノユイからスケッチブックを持ったまま 弾き語りを聴く。
圧倒的な静けさの中にボーカルがすっと浮かぶ。GIYAのように鮮烈さはないけれど
自然体で上品な口元が5mほど奥に見えるようだ。
B&Wではあんなに苦しめられたあのダイアモンドトゥイーターは同じ素材とは思えない
その表現力と優しさを感じる暖かみのある音にAVALONの確かな実力を感じた。

これは絶対におもしろいと思い苺ましまろのいちごコンプリートを掛けていただく。
ボンボンと弾むような低域にノリノリのボーカルが展開する。
GIYAだったら元気100%みたいなボーカルもこのdCSとジェフローランド、そしてDIAMONDの手にかかれば、公園のベンチでこども達が遊んでいる様子を穏やかに見ている親のような気分になれる。
気品と優雅さに溢れたリッチな音にこれはちょっと欲しいかもとこころが踊る。

ウィルソンに少し似ているが、もう少しおとなしくも力強い安定感がある。
理系スピーカーとしてB&Wと良く比べられてきたメーカーではあるけれど、方向性はかなり違うように感じた。
AVALONのすばらしさを実感できた10分間。
去年はこれで、夏鳥と、ときめきポポロンを聴くつもりだった。
また機会があったら堪能したい。

■アッカ

スピーカー:YG Acoustic Hailey 1.2 598万円 ペア
プレイヤー:ORPHEUS Heritage SACD HE/P  750万円
プリアンプ:KRELL Illusion 255万円
パワーアンプ:KRELL Solo 575 190万円
アクセサリー:NORDOST  VALHALLA2 140万円
= 1933

【2000万】YGAcousticで「ようこそジャパリパークへ」聴いてみた

試聴曲:
1.佐々木恵梨 / ふゆびより 「ふゆびより」 ※シングルCD

ふゆびより (通常盤)

ふゆびより (通常盤)

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佐々木恵梨
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2.どうぶつビスケッツ×PPPようこそジャパリパークへ「ようこそジャパリパークへ」 ※シングルCD

ようこそジャパリパークへ(通常盤)

ようこそジャパリパークへ(通常盤)

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どうぶつビスケッツ×PPP
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3.Key / Ornithopter -AIR Original Compilation Album- 「青空」

AIR オリジナルサウンドトラック

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ここ1年ほど、話題に事欠かないYG Acousticsを聴く。アッカは今回新潟オーディオショウにはじめての出展とあって2日間大人気と思いきや、値段の高さ故に聴き放題だった。
店頭へカーメル2が一度来ていたのだがあまり興味が無くスルーしていた。ついにYGの音とやらを聴くときが来た。
年季の入ったクアドラスパイアのラックにシンプルな構成でセッティングがされているアッカのブース。
残念ながら、オーディオ史上最強音質だというXVjrは九州オーディオへ貸し出された後に無事?納品されてしまった。
1週間タイミングが違えば新潟にもあのXVjrが来ていたのだという。
もう一つ、dCSのライバルメーカーと言うべきOrpheusのSACDプレイヤーだ。
お値段がまた一回りお高くなっている限定品がVIVALDIONEと張り合うようにセットされていた。

リモコンを手渡してくれた。これはポントが高い!
クレルのリモコン、でかくて重たい。アンプと同じ素材が使われているようだ。

構えに構えて聴く一曲目は、ゆるキャンのEDふゆびより。
初めての音は思ったより普通だ。最初に聴いたモニターオーディオの威圧感も
AVALONの独特の音場と低域、それに比べてえらく普通に感じた。

しかしよく考えるとこの感覚はハイエンドに対して異質な感覚であることに気づく。
この手のテクノロジーがつぎ込まれたスピーカーというのはどうしても普通では出せない音が出る。故に最初はどうしても変な音に感じる。
それがYGでは、どこかに引っかかるわけでもなく、すっと耳へ収まった。オーディオがあると言うより音楽聴いていたのだ。
つまるところ、音が非常に自然体なのだ。”なにも引かないなにも足さない。” このオーディオ雑誌で乱用されてきた言葉が大げさではなく真実だったのだと思わせるほどに。

さて、この会場へ来たミッションを果たさなければならない。
YGでジャパリパークを聴く。あくまでニュートラルな音場や温度感であり、特異な装飾はなく自然。それでいて、CDの情報は余すところなくそのまま描き出しているようだ。
何か変なことを書いてしまうがこのYGと言うスピーカーは音楽を聴くのに最適なのではないだろうか。

時間がかなり迫ってきたが、押しでもう一曲定番のAirから青空を聴く。
マジコのS1で馴染み深いこの一曲。伸びの良いボーカルが、朱鷺メッセの青空に浮かんだ。
キラキラ感はほどほどに、これまでで聴いたどの青空よりも澄み切った青空だ。
音圧の苦しさも低域の不足感もなくまさにちょうど良い。

アッカのブースでは、総額はかなりのお値段なのだけど、構成を見るとあまりにもシンプルだ。 すこし力を入れていると言えば、スピーカーケーブルのVALHALLA2くらいで他は至って普通だ。改良しようと思えばいくらでも改善の余地があるようなシンプルな機材構成とブースの様子に、オーディオって実はもっとシンプルで良いのではないかと感じた。

これでまだ上にソーニャとXVそして新しいトゥイーターがあるというのだから
YGと言うメーカーは凄まじい。
価格が上がりすぎたハイエンドオーディオのコスト的を考えたら、
近い将来、VIVIDAUDIOがオーディオの世界を変えられそうな気配がするが
YGはさらに上に行っていそうな感じがした。

■フューレン

スピーカー:PIEGA Master Line Source 2 1000万円ペア
プレイヤー:LINN Akurete DS/K 110万円 (?)
プリアンプ:OCTAVE The Jubilee preamp 410万円
パワーアンプ:OCTAVE Jubilee Mono SE 1100万円 ペア
=2620

試聴曲:
宇多田ヒカル 「桜流し」

Fantôme

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手嶌葵 「テルーの唄」 ※詳細不明

おまけです。会場今日で一番凄い音と思わせたのは意外なことにPIEGAのスピーカー。
YGを確認した後に、フォーミュージックのIさんがどうしてもこれは聴いておけと言うのでBルームのアゴリアSEが15分前に撤収されていたのを確認して、急いでAルームへと足を運んだ。
フューレンの人が最後だからと気を利かせて保護ネットを取り外して、そこに現れたのはラインと言うにふさわしく整列したあのPIEGAのトゥイーターとスコーカーの振動膜が4連。
やけに背丈が高いスピーカーの謎が一気に溶けた瞬間だ。
さて、聴くかと椅子を適当によけて座ろうとすると、いやこのスピーカーのリスニングポントはもっと後ろなんですと誘導されて行ったのは会場の背面すれすれの位置だ。
よく見たらのこれまでの朱鷺メッセで行われたどのセッティングよりも2つのスピーカーの距離がえらく離されているれている。7,8mはあっただろうか、それに対して正三角形を描くようにリスニングポイントも端っこになっていた。

アンプはオクターブも化け物パワーアンプとプリアンプだ。
見たら分かる超お高いハイエンドアンプに期待が高まる。

上流はLINNで統一されており手持ちの音源はかけられないのだけど
女性ボーカルをかけてくさださいとリクエストすると
どこかで聴いた覚えのある声が流れる。 部屋が一変したような、スピーカーの空気に飲まれる。
大音量ではあるのに全く苦しく無い。今まで体験したこともないあまりにも大きな音像がどでーんと会場いっぱいに広がる。スピーカーの間隔はあんなにも広いのに間が薄くなったりしていない。
これはもうオーディオ機器が鳴っていると言うよりこの朱鷺メッセの会議室全体がオーディオと化しているようだ。 天井高4.5mある朱鷺メッセの会議室をオーディオ装置が使い切っている。
ふわっと広がりつつ3D映画のように目の前に迫ってくる音像に、なんだかヘッドホンで聴いているような感覚になった。あまりにも非現実的するぎるのだ。

いま聴いている歌手は一体誰なんだろう…確実に聴いたことがある曲であるし耳馴染みのある声だ。
かなりの音量で鳴らされているはずなのに圧迫感はなくふわっと会場いっぱいに音が広がっている。
触れたらふわっと消えてしまいそうなボーカルに包まれている様がSTAXをはじめて聴いたあの時を思い出させる。
しばらくしてこの曲がSAKURAドロップスであの宇多田ヒカルだったことを知る。

ステサン御用達のてっしーこと手嶌葵をかけて貰う。もう時間は終了5分前だ。

フューレンの人が普段家でこんな大きな音で聴けることもないですからねとにこやかに言う。
スピーカーから音が出ているのではなく部屋の壁全体がスピーカーであるような気すらする。そのくらいのスケールで音場が広がり音像が迫ってくる。
コンデンサー特有の繊細で柔らかな音に、4枚のトゥイーターが醸し出す濃い音、演出はまさに唯一無二のハイエンドの音だ。

持ち込み音源は聴けなかったけれど、オーディオ試聴会でしか聴くことが許されない貴重なプレミアムサウンドだ。
フューレンの人曰くこのラインソース2は、後ろへ音を逃がさないといけないのと、ライン音源なので最低でも20畳は必要ですねとのこと。
一個前のYGとはまるで正反対の音だけれど、個人的にはPIEGAのラインソース2は夢のスピーカーの一つになった。
なんだかんだでコンデンサー型っぽい音は自分の原点にある音のようで、小さいシステムで良いから一つは持っておきたいと思った。

その3 反省会 へつづく