4月29日、新製品発表会1日目。
空はたまに日が差すくらいの曇りで風がえらく強い春の嵐のような日。
2時頃の家を出て2時45分頃に会場入り。

この記事では、それから5時頃公式試聴会での様子を書き留める。
公式でのプレゼンの様子をメモ書き程度に書き起こした記事です。

エスカレータを上って息を切らしながらCルームへ直行、
エレクトリ MAGICO M3を手始めに聴く。何とか間に合った様子。


※動画後半のギターソロ「 レスペート・イ・オルグージョ˜誇りと敬意˜(ファルーカ)」はVictor Entertainmentにより音声が消去されました。

アコギソロと井筒香奈恵のひこうき雲の2曲を聴く。聴いたと言うよりは流れていた。
フロア全体の様子もまだ知らないままにCルームへ入ったが、破綻の無いきれいな音。
DACはNADAC、マッキンプリにパワーアンプはPASS
いつものことながら、ケーブル類はノードストがふんだんに使われていたが
今回は電源ケーブルにODIN2が二本用意されていて、インコネにもODIN2。
スピーカーケーブルももちろんODIN2が使われていた。
去年ノードストが出した専用ケーブルインシュレーターの実物が見られなかったのが些か心残り。

ただ今回、5部屋用意されたブースはそれぞれのスピーカーが一カ所にまとめられており
代理店の縛りを超えてCHでマジコを鳴らしたいとかPASSでB&Wを鳴らしたいとかそういった要望にこたえるかたちになっていた。

Formusic社長曰く「毎回試行錯誤ですかねぇ…。」

確かに去年はAVALON Diamondがトライオードの方へ大移動していて逆にRossiniでアヴァロンが聴けなかった。
そんなので自由時間でも触れられない聴けないオーディオというのが多かった。

15分もするとスピーカーはエレクトリのMAGICO M3から
ステラゼファンのVIVIDAUDIOのG2giyaS2に変えられた。

つい最近モデルチェンジを発表したGiyaシリーズであるが、
ユニットが少し変わっただけなのでG1Giyaの中古どうですかとIさんにすすめられる。
新潟で持っているのは2人だけですよ!3人目になれます!と意気込むIさん。
いやいやそれでG3giyaS2買えるじゃないか。

テクダスのエアフォースワンによるアナログ演奏が始まったため
お隣のBルームエソテリックへと移動する。

エソテリックの講演。
スピーカーはアヴァンギャルドのDUO XD
それぞれGrandiosoのK1 F1 G1のミドルシステム。
あの11個体のGrandioso群と比べるとえらく小さく纏まっているように感じる。

 

 

 

 

 

曲1:In the Land of the Lionより
カントリーロード

曲2:Rimsky-Korsakov: The Snow Maiden – Suite / Act 1 – Intro: Danse des Oiseaux;Cortège; Danse des Bouffons より
リムスキー コルサコフ  軽業師の踊り

はじめてのアヴァンギャルド。そして本格ホーンスピーカー。
思っていたよりも音像の実態感が出ているし
低域も十分すぎるほどに出ているのに変に膨らんだりせず整っている。
ハイとローの繋がりがいまいちなのか定位の乱れが気になる。
DUOXDは背がかなり高く見えるのだが音像は低く手間へへ展開されている。
しかしながら金管を爆音で鳴らしているのに耳あたりの良い音はGrandiosoの功績か。

アヴァンギャルドをさくっと聴きCルームへ戻る。
CH Precision、コンステと800D3、ステラゼファンとD&Mのコラボ企画だ。
司会進行はD&M主体ですすめられてる。

プレイヤーの操作は後ろでゼファンの人がタブレットで行っていた。
CHPrecisionはD1C1L1と一つのアプリでタブレット端末から操作ができる。
一昨年見たiPadはなんだったのかCHをiOSで操作する日はセキュリティの関係かどうも来ないらしい。
プリのボリューム調整はD&Mの人がしていたのだけど全体的に音量を上げ過ぎていた印象。
どの曲を聴いてもコンステの良さやD3の良さを感じることは出来なかった。
春の祭典やジャズでは手前に座っていた白髪の老人が指で耳を塞ぎ怖い表情をしていたのが印象に残る。

あとで録音したものを聴いてみるとそんなに悪い感じはしないのだが
とにかく音がでかすぎたのか、高域が鋭く襲い掛かってくるような音にたじろぐ。
選曲もそんなに良いとも思えず音楽を聴いていたと言うより騒音の中にいたようだ。
試聴会ではこういったことが頻繁に起こるから恐ろしいところだ。

B&WもCHもコンステもそんなに悪い組み合わせだ思わないし
800D3の限界はまだもっと上にあるはずだと思う。

800D3はかなり違いますよと事前にIさんが推していたが
いやーエージング足りていないのかかなりきつい音ですというと
ああGiyaいっちゃった人はそうなるんですよね~とかえされる。

From the Heart by Lesley Garrett
Je Veux Vivre Dans Ce Reve

ストラヴィンスキー:春の祭典/ペトルーシュカ
春の祭典 Track2

Sol Gabetta LIVE Berlin

Spiral Circle/スパイラル・サークル
TAKE FIVE

右端に写っているストームタンクは一度ForMusicにも展示されていたが
あまりの重さに木箱から出せずに困り果てたという。
値段から物量から化け物みたいな奴だ。
拳で箱を叩いてみたがまるで岩のような筐体であった。

冷やかし程度にAルームアキュフェーズを見に行く。
新作パワーアンプのA-250でS1が鳴っている。
マジコのS1mk2がアキュフルセットで鳴らされている。
Iさんと話ながら10分も聴いていなかったけれど、安定感のある素直な音。
毎度のことながら、アキュのイコライザーとクリーン電源が優秀なのか
アキュは聴いていて安心する。価格帯が現実的なのもより安心させられる。

クラシックがかなりの爆音でかけられていたのだけど
驚くほどスケールの大きなステージ展開、豊かな低音に、ああもうこれで9割以上のオーディオマニアが上がりですねと。
そう、S1かなり売れましたからね6ヶ月待ちとかありましたよとIさん。ただmk2はまだ出ていない様子。

ただ本当にS1というスピーカーは懐の深い奴で鳴らし手の意図を良くくみ取ってくれると思う。
良いアンプ、悪いアクセサリーをすべてはき出すようで、どこで試聴しても同じ顔は二つとないようだ。

曲:ドヴォルザークの交響曲第9番 新世界より
曲2: Live in Tokyo all I Do is Dream of you

Bルームアクシス
エアでWILSONの新作YVETTEが鳴らされている。
YVETTEはワンピースモデルの最上位クラスだ。
WILSONオーディオはこれですべてのラインナップがシルクドームツイーターに切り替わった様子。
しかしながらWILSONはスピーカー屋のなかでも箱を作っているメーカーで
ユニットはスキャンピーク社のものをカスタマイズしながら
エンクロージャーに特殊な樹脂を使い創業当初から自社で生産しているという。

アクシス今回の目玉はQX-5 Twenty、今回はネットワークオーディオプレイヤーとして使われていたけれど、
10種類の入力が可能で今の時代にあったデジタルプリ搭載のマルチプルDACだ。
NAPとうことで、曲の間に解説を入れることなく淡々と音楽を流すアクシススタイル。
割り切ったこのスタイルを推すファンは結構多いらしい。

選曲もボリュームも安心のアクシスクオリティだ。
ここに来てももっとも気持ちが落ち着き耳が安らいだ。
キースのピアノが目の前にいるようなのだけど穏やかで耳馴染みが良い。
一日中聴いていられそうなシステムだ。
上流がアナログに切り替わったところでフェードアウト。

曲1:ジョルジア フマンティのfrom my Heart
曲2:キースジャレットのケルンコンサート

Dルーム。太陽インターナショナルとJVC
今回はビジュアルがメインでRossiniやJeffRolandはお目にかかれなかった。
ブースとしてもいまいち何をしているのか分からず
初めて行ったオーディオショップのようにそそくさと写真を撮って部屋を出た。

もしかしたらRossiniがあるかなと思い事前にUSBで自宅のRossiniで準備していただけに少し残念。

今年より一部屋増えた、LUXMANと日本音響エンジニアリングのEルーム
これまでForMusic新製品発表会では毎回雄志によってアナログ試聴会が開かれているのだが
今回はそれを逆手にとってもう公式でアナログカートリッジ試聴会を開いてしまったらしい。
このEルームだけ小会議室で天井高が中会議室の半分程度で
シルヴァンとアンクの影響もあってか部屋の空気感がかなり違う。

部屋には入ってまずTADの音がきついなと感じたのだが
しばらく居るとなにかスイッチが切り替わったかのように音楽が聞こえてきた。
アンプ類はLUXMANでスピーカーはTADのE1だ。

オーディオ試聴会ではあるが部屋に一体感があって
席ににならぶメンツもいつもの顔ぶれのようで
聴く方もプレゼンする方もリラックスして全ブースの中でもっとも和やかなムードで試聴会がすすむ。

知らない曲しかもアナログで初めて知るカートリッジばかりが演奏されるのだが
フェーズメーションの人はユーモアにあふれていて貴賓高さを感じる。
TADのスピーカーは割と高域がきつめなのだがきついというよりは刺激的で鮮烈な音だ。
LUXMANの聞き慣れた音というのもあるけれどそのディテール感や鮮烈さが心地よい音楽を感じさせる。

アナログカートリッジ比較試聴会とあるが選曲にもオーディオにもこだわりと深い愛を感じさせるプレゼンだ。
D&Mのプレゼンとは対極的で、教養やセンスを感じるワンシーンであった。
演奏が終わると会場は暖かい拍手に包まれた。

フェーズメンションのプレゼンでは、
本当に聴きたいところだけを聴かせてくれるストレスのない演奏で
曲も初めて聴くのに良さが十分に伝わってくるし説明も選曲も長年蓄積されたノウハウのようなものを感じ
レコード演奏家というのが一体どんなものなのか
たった数十分でよく分かった試聴会であった。

オーディオを生かすも殺すも人次第。
もう少し長く聴いていても良かったかも知れない。

ただカートリッジの値段に吃驚したのはここだけの話だ。
もし近い将来アナログを始めるのならPP300あたりを目標に頑張ってみようと思ってしまった。

Eルームの比較試聴会が終わったあたりで17時20分過ぎ。
会場へ入る前37.3度あった熱も感じずに必死に座って聴いていた。
夕方日が落ちてくるともう帰った方が良いかなと思いつつ
Iさんとアイソテックの商談をしつつ…

その2へ続く