なんだかんだで、オーディオ的にはうちのリビングは響きが良く、縦長配置となるが、左右対称で定位も良好だ。天井や壁には吸音材がある程度入っているが、オーディオルームよりよく響くので案外気持ちよく歌えたりする。電源環境も全てのVVFケーブルを2.0に揃えたため、電圧には申し分ない。スピーカーはB&Wの20年前のモデル、「Signature805」を鳴らしている。アンプはとりあえずDAC付のプリメインアンプを使用している。これは、しばらく前に急逝してしまった叔父さんの遺品である。そんな想いものっかっているのかこの805を鳴らすと、かくしゃくと音楽が奏でられる。
リビングでは自由にラフにオーディオと音楽を楽しむ。テレビの歌番組や映画、アニメから、AmazonプライムビデオやYouTube、roonを介して自分の音楽ライブラリを楽しむことができる。なんだかんだで、自分は音楽を楽しむならばリビングが一番心地よい場所に思える。ご飯を作っている音が聞こえ、食事が終われば食洗機が稼働するが、それでも音楽や音は日常生活と調和しているように感じられる。だからこそ、音楽を楽しむ際にはリビングでくつろいで聴く方が、音楽の豊かさをより感じられる瞬間があると思う。

※この記事は2023年の記事の一部を抜き出しリライトしたものです。


多くの人々は、リビングに喧騒を感じて、専用オーディオルームが欲しいと思うかもしれない。ヘッドホンのような独りの空間に浸ることも多いと思う。しかし、私は異なる考えを抱いている。私にとって、リビングで奏でられる音楽は、家族と共有し、日常の営みに自然に溶け込む芸術としての意味があると思う。リビングは活気に満ち、さまざまな音が鳴り響く場所だ。テレビから流れる音声、台所での調理の音、家族の会話の声など、それぞれが独自の音を奏でている。その中に、好きな音楽が加わることで、唯一無二の”音楽”が生まれる。それは、日常の生活に彩りを与え、心地よい響きをもたらす。リビングで音楽を共有することには、特別な魅力がある。音楽は家族の絆を深め、共通の感動を分かち合うきっかけとなる。リビングの音楽は、生活の一部として存在する。それはイヤホンや防音室のような中で孤独に聴く音楽とは異なる響きだ。リビングの喧騒の中にこそ、音楽が生き生きと輝き包み込んでくれる。私はその一体感を大切にし、リビングで音楽を楽しむことに喜びを見出している。それでも、多くの人々が静かに一人でオーディオが奏でる音楽の中に閉じこもりたくなるのも理解できる。しかし、私にとっては、リビングで音楽を共有し、日常に音楽という芸術を溶け込ませることが意味のある営みなのだ。家族と生活の中にあるその一瞬一瞬の音楽の響きが、心に深く刻まれ、豊かな人生の一部となるのだから。