2021年今年はポーカーの年になりそうです。今月7月2日よりサミー主宰のポーカーアプリ「m HOLD’EM」(エムホールデム)が正式リリース。β版での登録者数5万人を大きく上回る20万人が登録。日本のポーカー人口は10万人と言われているので、その倍の人がポーカーへ興味を持ってくれた様子です。
6月から始まったβ版のエムホールデムプリフロップエディションも過疎アプリと思いきや、そこそこの賑わいを見せ、オープンβ記念トーナメントなどで盛り上がりました。今日はそんなエムホールデムのお話と感想です。

※最後にトーナメントのハンドヒストリーとリザルトがあります。

ポーカーに出会ってから今日まで

私は、2013年の冬頃にとある番組からテキサスホールデムというカードゲームの一種を知ります。それまでポーカーと言えばドローポーカーしか知らなかった私は、テキサスホールデムの戦略やストーリー性に引かれて少しだけポーカーについて勉強し始める。マジックが趣味だったのでポーカーチップもあったらおもしろいだろうなと思ってマツイゲーミングマシンのチップを100枚買って適当に遊んでいた。お盆や正月など普段合わない親戚がくるとなぞのポーカー大会が開かれることに。
マジシャンであった私は、ゲームや勝ち負け云々よりも、実際にチップをかけてカードを混ぜてやるリアルのボードゲームがやりたくて仕方なかった。Youtubeなどでカジノのディーラーさんの動画を見て楽しんでいたのもこの頃。

マツイゲーミングマシンのオリジナルポーカーチップ

しばらくして、POKER STARSで実際にお金をかけてのリングゲームや、賞金が出るトーナメントがあることを知り挑戦しようとするものの、トーナメントはインマネ(入賞賞金が出る)までに何時間もかかり、(小さなトーナメントでも優勝まで3~6時間かかります。)引きこもりの私の体力では到底集中力も根気も続かないと断念。リングゲームの方は、チキってしまい怖くて参加できず。またこの頃のPOKERSTARSへの入金方法も不明でそのままなにもやらずに放置。

今年に入って、あまりにも暇すぎてポーカーを再開。きっかけはインポッシブルで売っていたリアルカジノのbeeトランプと、Youtubeの世界のヨコサワチャンネルを偶然見つけたこと。
2013年に適当に買っていたポーカーチップはまだ使えるが、アリエクスプレスやアリババでもっと安く良いチップが買えることを知り、ポーカーやカジノ用品を買い集める。マットやカードシューなど本格的なものが結構安く揃うのでもはやポーカーがやりたいと言うよりはお買い物依存症の状態。
世界のヨコサワチャンネルを見ると同時に、Youtubeでポーカー解説系のチャンネルが非常に充実している事に気付き、暇があれば食事しながらだらだら寝ながらポーカーの勉強を始める。
最初に始めた頃、勉強するにはとにかく専門書を買う必要があり、目が悪い私ではそこまでしてポーカーをやりこむ気力は無かった。


フィル・ゴードンのポーカー攻略法 入門編 (カジノブックシリーズ) 単行本 

POKERSTARSでプレイマネー(ゲーム内通過)でのポーカープレイは、海外勢中心でちょっと怖い感じするし、なによりテンポが悪くて時間がかかって仕方ないので、それまでAppleが出しているテキサスホールデムのアプリでしばし茶を濁していた。このAppleの公式のアプリはちょっと癖があってAIの動きがポーカーのセオリーから大分ずれているのでポーカー学習には向かないけれど、ちょっとした暇つぶしやルールの確認などにはとても最適なアプリ。そこそこやりこんで最終ステージのマカオで1位がとれる。しかしこのアプリAIが単調なのと勝てないときはとことん勝てないので意外につまらない。

そんな中、エムホールデムリリース。β版から結構な時間プレイ。初めてのソシャゲアプリにドキドキしながらポーカーを打つ。このエムホールデムは考える時間が短く、ランクマッチやフリーマッチの下位ランクでは、6人テーブルなのでかなりサクサクプレイが出来る。また10人用意された個性豊かなキャラクターとKKポーカーやSTARSにもあるスタンプがキャラクター仕様になっていて馴染み深い。心配していた課金要素も、廃課金する必要は無く、ポーカーの実力さえあればランクもポイントも十分稼げて楽しめる。
ランクマッチでは初手オールINじゃんけんゲーなどと言われているが、これはPOKERSTARSのプレイマネーの下位ランクでも同じような感じなのでエムホールデムに限った話ではない。ゴールド帯の深夜帯などはリンプしてくるユーザーもほとんどいないし、まあまあポーカーしていると思われる。噂によれば、プロフェッショナル帯からが本格的なポーカーが始まるらしい。ただし、プロフェッショナル帯は相当にシビアらしく持ち点の上下は非常に激しいという。なので一度上まで上がったらそれ以降はフリーマッチやトーナメントだけやるみたいな人も多いとか。

エムホールデム私の今の成績

リリースから毎日1,2時間ほどプレイして、2289ハンドプレイ(948位)、ランクマッチはGOLDⅡ、Mポイントは380万点(ランキング261位)ほど
基本的に、デイリーミッションと、ウィークリーミッションをクリアすることを目標に毎朝フリーマッチとランクマッチをプレイ。ストレートあと一回出るまでやめられませんみたいなことをやっているといつの間にかGOLDⅡになっていた。夕方にはトーナメントの予選を適当にプレイ。これまでデイリートーナメントでダイヤ2位、本戦チケットのサテライトトーナメントで1位獲得。その他勝てないときは普通にあるので9位や5位も結構ある。本戦チケットは一度ヘッズアップで負けて結構悔しかった。

エムホールデム ゴールドⅡ

エムホールデムの個人的感想

このアプリには結構将来性を感じた。なによりこれまでのソシャゲのなかでは、確実に日々の鍛錬と勉強が必要で、札束で殴り合うアプリではないのだ。それはつまりホールデムというボードゲームがマインドスポーツと呼ばれているように、ゲームと言うよりスポーツに近い。このスポーツ感は、トーナメント本戦であったり、ランクマッチの上位でないと感じられないのだけど、裾野を大きく広げただけに、下の方でのごちゃごちゃはある程度は許容したい。実際問題、ラスベガスで開かれる大規模なトーナメントでも1テーブル目は知識も何もなく観光しに来ているようなプレイヤーが適当に打っているのだから、中高生も多いアプリだったら仕方ない。
中高生が多く参加しているアプリであることは間違いないので、平日の夕方などはGOLD帯でも非常に勝ちやすい、逆に夜のゴールデンタイムはどうしても強い人が多くて勝てない事が多い。そんなわけで、トーナメントで楽に勝ちたいならば平日の夕方16時~Ⅰ8時頃がオススメだ。1位を勝ち取ったのはいずれもこの時間帯。テーブルを見てもプロフェッショナルやGOLDⅢのユーザーが明らかに少ないので安心して挑める。

ダイヤ トーナメント

エムホールデム トーナメント ダイヤ 1位

 

久々にゲームに没頭し始めたのだけど、やっぱりゲームは楽しい!ここしばらくはゲームと言えば疲れる印象しかなかったのだけど、エムホールデムのさくさく感とある程度の緊張感と思索を巡らす面白さはまさにマインドスポーツ。もうすでに、ネットゲーム特有のよくマッチングする顔なじみも出来てきてなんだかもう一つの小さな居場所が出来たようだ。相手はニートなのか大学生なのかそれとも…?不明ではあるけれどスタンプで挨拶やナイスハンドーと送るだけでなんだか楽しい。
久々に時間を忘れて没頭できるゲームに出会えたと思う。 なによりテキサスホールデムというゲームが自分に凄くあっていて、大して勉強していないにしてもある程度のフィーリングで勝ててしまうし、大負けしたときは、なぜ負けてしまったのかプリフロップから延々ねちっこく反省し続ける。無駄に不安やストレスを考え込むよりもゲームしながらなんにもない時間を過ごした方がちょっとは有意義な感じがした。

エムホールデム

リングゲームでの様子。午前中の時間帯で5万入れて90万ポイントまで増やした

なにより、結構勝てるのである。ランクマッチ、トーナメントしても、日本のポーカー人口はまだ非常に少ない状態でしっかりと勉強して経験を積んでいる人は極わずかで、ほんのちょっと知識を得るだけで、普通に勝ててしまう。この手のゲームは勝てないとまったくもって楽しくないのだけど、勝つためのコスパが結構良いように思う。加えて、全くの無勉強だったとしても、超強い相手に対して、運が絡むホールデムでは少しは運で勝つことが出来るのだ。
これは、ピアノだったり将棋だったりプロスポーツでは考えられないことだ。ホールデムでは基本ギャンブルなのでみんながみんな20歳頃から始め、さらに運が絡むので10回程度の勝負なら素人でもガチのプロに勝てることがある。なので大人から始められる唯一の国際的スポーツと言って良い。この競技には3歳から英才教育された天才的プレイヤーは存在しないのだ。事実、有名な話にマネーメーカーというポーカー界に革命を起こしたポーカープレイヤーがいる。

Chris Moneymaker – Wikipedia
2010年後半から、日本でもテキサスホールデムが着実にその裾野を広げ始めた。
ここ新潟に出さえアミューズメントポーカー施設があって毎週のようにトーナメントや勉強会が開かれているし、ポーカー系Youtuberも非常に盛り上がっている。そんななかエムホールデムがリリースされ、さらにポーカー人口が増えようとしている。日本でもカジノIRが現実のものとなりつつあり、みんなが集まってやる大人の遊びにポーカーが加わる日は近いと思われる。

エムホールデム タイトル画面

7月某日、リリース記念トーナメント本戦で大事件が起きた

大☆事☆件!です。先日予選でチケットをゲットするもトーナメントは数時間に及ぶ戦いになるのでどうしても参加できないなと思っていた矢先、せっかくだし適当なハンドでオールINしていって記念に本戦の様子を見てこようかなと思った。
本戦の前日体調は最悪だった。この週ずっと腹痛に悩まされて、夕方には37.9度の熱発があり、本戦当日の夕方には38.1度の熱が出ていた。具合が悪いにしても、せっかく貰ったチケットを無駄にするわけにはいかないと、19時から始まるトーナメントに軽い気持ちでエントリー。そうしたらこの日最高にハンドとボードの絡みが良く勝ちまくり。1時間が経過した頃にはテーブル内ではチップリーダーをやっていた。しかし点数が伸びるのと同時に体調はどんどん悪くなっていき、終いにはiPadを操作する手がうまく動かせないくらいに身体がおかしくなってしまった。
今回、約2000人が参加したらしいこのトーナメントで、1時間と20分ほどの死闘の末、これ以上のゲーム続行は無理と判断してオールIN連発にて174位にて初めてのポーカートーナメントが終了した。
初めてのポーカートーナメントでありつつ、生まれて初めて味わったことのないくらいの具合の悪さ、遠のく意識と、これ人生終了したかも…。そして失神からの救急搬送…。ポーカーで死ぬところだった。いや結果的にただの過呼吸で死にはしなかったけれど、死ぬほど苦しかった。
具合が悪いときに無理してゲームするのは辞めよう。w

私のトーナメント本戦は中盤で強制終了してしまったけれど、このトーナメントちゃんとハンド絞って硬くやっていれば結構良い線まで行けるっぽいです。まだトーナメントになれていない人が多いのでKKポーカーなどで経験がある人はあっさりとインマネ出来るかも知れません。Appleのテキサスホールデムゲームレベルの感覚ですら結構良い線まで勝ち残れました。
ただし、ターボトーナメントのため運次第ではあっさりぽっきり負けてしまう人も多く見受けられました。この辺はポーカーなのである程度は仕方ないです。その分予選でチケットを沢山GETしましょう。
今後どんどん人口が増えると思われるエムホールデムですが、今のうちにプロフェッショナルとトーナメント優勝目指すのは悪くないと思います。このアプリ、リアルでのトーナメント開催やイベントなど今後の発展に期待が持てます。

タイムライン ハンドヒストリー

おまけです。記録として残しておきます。
19:10頃
エムホールデム 本戦 エントリー
1ハンド目 10Js
スタック10000点 ミドルポジションからプリフロップでフォールド

2ハンド目 77
UTG 1600オープンにミドルポジションからコール、SBが6400点にスクイーズレイズをコール
ボード 8s Kh 6d Kc 10d
フロップでSB(QJs)がオールIN これにフォールド、UTG(JJ)
スタック3600点へ

6ハンド目 AKo
UTG 400でリンプイン ハイポジション1200へレイズ ボタンがコール 3600点でBBからオールIN UTGフォールド 3way
ボード Qh Ks Jd 9c As
フロップでボタン(K8s)オールIN HPフォールド
ストレートボードで、AK2ペア完成勝利
スタック11400点へここで飛ぶつもりがトリプルアップしてしまう

20ハンド目 A10o
MPから3000点3倍レイズ、ボタン(99)がオールIN、これにコール
ボード 4c Ks 5c 6c 9s
ボードからまず、リバーでセットを引かれて
スタック2900点へ クラブ一枚足らずフラッシュで捲れず

23ハンド目 K10o
MPからオールIN、MP(JAo)がコール、ヘッズアップ
ボード2d 8c 9s 5h 10c
10ワンペアで勝利 スタック7600点へ
この時点でチップリーダーは40200点

33ハンド目 AKo
EPから4900点でオールIN ボタン(A10s)とSB(AJo)がコール
ボード Jd 7c 4h Kc 9h
Kのワンペアで勝利 スタック17000点へトリプルアップ
夕食を食べながらポチポチ、今日のAK仕事しすぎ

38ハンド目 A6o
ボタンからA6oでオールIN、SB(K8o)がコール
ボード Jc 5s Qc Ad Ks
Aのワンペアで勝利 スタック29800点へダブルアップ
夕飯で胃が苦しくなってくる、この辺で辞めようかなと思ってオールINでダブルアップ

39ハンド目 AJo
MPが6000点(3BB)レイズ、これにLPからコール、ボタンコールで3way
ボード Js 4h 5d 7c Jh
フロップでJヒット10000点ベット、オリジナルフォールド、SB(A6o)コール
ターンでオールIN、SBコール、Jのセットを引いて勝利スタック70200点へ
キッカー強いと言う安直な理由でJでオールIN、SBがショートで4567のストレート狙いを外す
息を切らしながら打つ。もう辞めてもいい。

44ハンド目 88 19:58
カットオフで8ポケ 6000点3倍にレイズ、BB(AJo)コール
ボード 8s Jd 2s Kh 6c
フロップでBB、Jがヒットチェック、7000点ベット、BB21000点へレイズ、セットが刺さっているので29000点オールIN スタック11.1万点でここでチップリーダーへ
動悸がしてくる。

49ハンド目 K9o
HPから3倍9000点オープンレイズ、全員フォールドでスチール
スタック11.7万点へ

52ハンド目 AKs 20:05
SBから4倍12000点レイズ、BBフォールドでスチール
スタック11.9万点
この日3回目のAK
そろそろ吐きそうとおもいつつトイレの中でぽちぽち

60ハンド目 JJ 20:13
UTGから4倍20000点レイズ、BBがコール、フロップでBB(78s)がオールIN
ボード 8d Ah 3d 6s 4s
相手8のワンペア こちらJポケットで勝利 15.9万点へ

61ハンド目 57o
MPがリンプ、BBからチェック、7がヒット、相手A持っていないだろうとふんでターンでCが落ちたところで1/3、7500点ベット、相手フォールド
ボード 6d 7c Ac Jc
スタック17.0万点へ

63ハンド目 QJo 20:15
MPリンプイン、ボタンから3倍へレイズ、BB(103o)がオールIN、フロップでQヒットベット25000点でMPフォールド
ボード 9s 7h Qd 5c Ad
Qワンペアで勝利 スタック20万点へ
吐き気と腹痛がやばくなってくる

66ハンド目 A9o 20:17
MPから指が滑って13.7万点の特大オープンレイズ 全員フォールドでスチール
ここでもまだ19.7万点でチップリーダー、2ndのスタックが12.8万点
この時点で大分体調がやばくなってきて普通に座っているのも苦しくなってくる

68ハンド目 Q2o 20:20
もう辞めたいと、HPからオールIN、スチール21.9万点。今回最大のチップスタック
吐き気が収まったが、胃腸がビリビリと痺れだし異変を感じ始める。呼吸が苦しい。

70ハンド目 710d 20:21
目がよく見えなくなってくる、取りあえずオールINして終わらせたい
UTGからオールIN、LPのディープ(QK)がコール
フロップ 4d Ah Js 3d Kc
相手ワンペア、こちらハイカードで負けチップが半減する。スタック 11.5万点
手足がビリビリと痺れて指すらうまく動かせなくなってくる。

71ハンド目 92o オールIN -69400点
72ハンド目 4Ko オールIN +29000点 勝っちゃう…
73ハンド目 76o 20:23 -71800点 試合終了
もはや意識がもうろうとしてくる。手足の痺れはさらに激しくなる
頭がホワイトアウトしそうになりながら、リザルト画面でなんとかTwitterに記録。

エムホールデム リリース記念トーナメント

最悪の体調の中、2000人中174位で強制終了。運もかなりよかったけど、参加者の中ではナンバーワンの是不調だったと思われる。

手足が完全に硬直、唇や舌も痺れてくる、このまま死ぬのかなと思っていると、意識が飛ぶ
救急車が呼ばれ病院へ運ばれる。

おわり。